賃貸経営をする場合、賃貸の所有者である大家さんの味方になるのが不動産会社です。
「不動産会社と大家さんの仕事の違いとは?」
「大家さんが不動産会社に支払う手数料はいくら掛かる?」
「自主管理は可能? 大家さんが不動産会社を使うメリットデメリットとは?」
不動産会社と大家さん、仕事の役割の違い、不動産会社に委託した場合の手数料、不動産会社を使うメリットやデメリットをまとめました。
不動産屋さんと大家さん 仕事の違いとは?
不動産の持ち主である家主と不動産を借りたい人とをつなぎ(仲介)、物件の管理をするのが不動産会社です。
大家さんは、所有の不動産を貸し出したりその後の対応したりする際に、仲介・管理を行う不動産会社に委託することがあります。大家さんと不動産会社の仕事の役割について解説します。
不動産会社の仕事
不動産会社の仕事は、大きく仲介と管理に分けられます。仲介業務では、自社のネットワークを利用して、インターネットサイトで紹介したり、事務所の壁に物件チラシを貼ったりして募集を掛けます。このほかの空室対策や物件のメンテナンス、入居後の賃料の回収は管理業務にあたります。管理仲介両方手掛ける事業者も、どちらか片方を専門に行う事業者もあります。
賃貸経営で関わる不動産会社は、主に以下の3種類あります。
- 不動産管理の専門会社
- 不動産仲介の専門会社
- 管理・仲介両方を行う会社
このほか、建設会社が賃貸物件の建設から管理まで行うケースもあります。
大家の仕事
不動産を所有している大家さんが、不動産を貸し出すときに発生する主な仕事は以下の通りです。
- 入居者管理(募集、内見者案内、審査、契約手続き、騒音などのクレーム対応、退去)
- 管理(共用部や外回りの掃除やメンテナンス、空室対策、リフォーム)
- 資金管理(家賃徴収、滞納催促、管理費支払い、原状回復支払い)
大家さんは、所有の不動産を自主管理する場合と、管理を外部に委託する場合に分かれます。2割弱の大家さんが所有の不動産を全て自主管理しており、8割近くが必要に応じて一部もしくは全ての管理を不動産会社に委託しています。
仲介も自分で行っている大家さんが入居者を探す場合は、マッチングサイトなどを利用しているようです。
仲介や管理を不動産会社に委託する場合は、良い不動産会社を探すのが大家さんの仕事になります。良い不動産会社に仲介・管理業務を委託することが、入居者を増やし大家としての仕事を成功させることに繋がるからです。
大家さんが不動産会社に仲介の際に支払う手数料
不動産の仲介を不動産会社に委託した場合の仲介手数料は家賃の1か月分が上限になります。入居者は契約後入居の際に以下の初期費用を支払うことがありますが、その金額は地域差も大きいようです。
- 前家賃
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
仲介手数料とは不動産会社に対して支払う手数料のこと。貸主・借主双方が半額ずつ支払うこととされていますが、片方がまとめて支払うこともできます。入居者に対して仲介手数料を半額や無料にして募集している場合がありますが、大家が直接募集しているケースや、仲介手数料無料で募集し、実際には大家が全額支払っているケースがこれにあたります。
メリット
- 入居者募集において、仲介会社の持つネットワーク(サイトや自社の壁に張るなど)を利用でき集客力を大きくアップさせることができる
デメリット
- 不動産仲介手数料を支払う必要がある。仲介会社を利用しなければ仲介手数料なしで募集でき入居者を集めやすい
大家さんが自主管理せずに不動産会社に委託するメリットデメリット
大家さんの仕事は煩雑で、トラブルに対応するための事業者の情報や、対応経験も必要になります。それらを慣れない家主が全て対応するのはなかなか難しい面もあり多くの大家さんが不動産会社に管理を委託しています。
管理業務を不動産会社に委託する場合、管理費として支払う金額の相場は家賃の5%と言われています。家賃が月5万円で年60万円であれば、管理費は、月2,500円、年3万円の計算になります。
メリット
- 煩雑な管理業務を一括で委託できる(入居者との連絡業務対応、トラブルやクレーム対応、家賃滞納者に対して法律をよく理解し経験のある人に対応してもらえる)
- 時間と手間の節約ができるので、自分に本業があっても副業として賃貸経営が可能
デメリット
- 不動産管理手数料が家賃の5%程度掛かる
- きちんと仕事をしてくれる事業者を選ばないと入居者の満足度が低下する
不動産会社の選び方
不動産会社を選ぶには、委託した仕事をしっかり行ってくれる信頼できるところを選ぶ必要があります。
選び方
不動産会社は大手から地域密着型の家族経営的なところまであります。どちらにしても信頼できるところを選ぶには、例えば、直接話してその会社の雰囲気や、担当者の人となり、地域密着型の家族経営であれば社長さんと話して信頼できるかの印象が大切です。
大手で頼んだことをきっちりやってくれるのを求めるのも良し、地域密着の家族経営で社長さんのキャラクターを信頼して長い付き合いを築いていくのも良いでしょう。
また大家の会でも情報交換が行われています。大家の会に参加して、何年も大家業をやって成功している大家さんから直接業者を紹介してもらうのも一法でしょう。
不動産会社を変更したくなる場合
不動産会社の中には対応が悪いケースがあることもあります。社長はよかったが担当者が悪かった、そんなケースもあるかもしれません。以下のようなケースが考えられます。
- 管理委託契約で契約したことをしてくれない
- 共用部の掃除をしてくれず汚い
- ゴミ捨て場の掃除をしてくれず有り得ないほど汚い
- 入居者からの「設備が壊れた」などの依頼を放置する
- 騒音苦情を無視し続けた結果空き室が激増
- 担当者の担当物件が多すぎて自分のところまで手を回してくれない
- 設備が壊れたときに事業者を紹介してもらったがどう考えてもかなり中抜きされている
管理委託された管理業者が、完全に手抜きをしていて管理業務が滞ってしまうことがあるかもしれません。その場合はハッキリ苦情を伝えましょう。それでも改善が見られない場合は管理業者を変更すると良いでしょう。
まとめ
大家さんと不動産会社について以下の通りお伝えしました。
- 不動産会社と大家さんの仕事や役割の違い
- 不動産会社に委託した場合の手数料
- 不動産会社に委託するメリットデメリット
- 不動産会社の選び方
不動産会社に委託すると仲介手数料が約1か月程度(入居者が支払うこともある)、不動産管理業務で家賃の5%程度掛かりますが、大家さんの仕事の煩雑さと比較すると管理委託するのはとても良いシステムと感じる大家さんが多いようです。
大家さんになりたいけれど、 「大家さんとは具体的にどのような仕事なのか?」 「どうやったらなれるのか?」 「何を、どのように勉強すればいいのか?」 「本当に稼ぐことができるのか?」 など、未知のことでいろいろ不安になること[…]