立地で選ぶ 空室リスクが低い都市部 キャッシュフローを生みやすい郊外

不動産において、「立地」というのは大事なポイントだ。賃貸経営に適した立地の良し悪しを見極めるには、何に気を付ければよいのだろうか。「都市部」と「郊外」、それぞれのエリアにおけるメリットとデメリットを解説する。

「賃貸経営は立地がすべて」 。家主業をする中で、一度は聞いたことがあるフレーズだろう。一般的に「立地が良い」というと、資産性が下がりにくい地域として大都市圏を思いつきがちだ。だが本当にそうなのだろうか。都市部と郊外では、賃貸経営における立地の良さの意味合いが変わる。それぞれのエリアを選ぶ際のメリットとデメリットを整理しよう。

都市部 (メリット)

人口が多く賃貸需要が高い
空室期間が短く賃料維持しやすい

人口が多い都市部は、不動産を購入したい人にとって人気がある。多くの人が生活する地域のため、賃貸需要が高いからだ。

都市部で賃貸住宅を購入するメリットとして、

①空室が埋まりやすい

②賃料の維持がしやすい

③資産性が下がりにくく、売却しやすい

がある。

①は、都市部であることから、生活圏と商業圏が近い。仕事や学校に通うためや、利便性の良さから部屋を借りて住みたいという人が多く、賃貸住宅需要が郊外エリアよりも高い。そのため空室になっても次に住む入居者が見つかりやすいのだ。②は、通勤・通学・生活の利便性の良さから、賃料の下落幅を小さく抑えることができる。

③については、少子高齢化が進む日本の中でも都市部は人口減少のスピードが比較的遅いことが大きな理由に、 不動産を売却する際、次の買い手が見つかりやすく、換金しやすいのだ。

都市部 (デメリット)

販売価格が高く購入が難しい
競合が多く物件の弱点が目立つ

賃貸経営をするうえで、良いことだらけのように見える都市部エリアだが、左記のデメリットもある。

①不動産価格が高い

②競合物件が多い

③単身者向け物件が多い

④税金が高い

①は、人気のあるエリアであるがゆえに地価が高く、基本的に不動産価格が高い。不動産はもともと高額なため金融機関から融資を受けて購入するのが定番。購入価格が高いとローンの返済額が多くなり、家賃を高く設定したとしてもキャッシュフローが少なくなりがち(利益が生まれづらい)だ。

また不動産価格が高い場合、購入希望者自身に賃貸経営の実績や自己資金が少なかったり、担保となる資産がないと、金融機関から低く評価される。そうなると、高い金利を設定されたり、そもそも融資が下りず購入することができなかったりする事態が起こる。

②は、人が多く住む場所ほど賃貸住宅の数は多い。つまり競合物件が多いことから、購入した物件の弱点が目立ちやすくなる。例えば、最寄り駅のネームバリューや駅までの移動距離、スーパーやコンビニエンスストアなどの商業施設・病院などの公共施設の有無、築年数や建物の構造などが、部屋を探す人の評価軸となる。

物件に評価軸から外れる弱点があると、入居者獲得が難しくなる。場合によっては、契約獲得のために家賃を下げることもある。

③について、都市部エリアの場合、売主である不動産会社や建設築会社は、敷地面積に対する収益性を上げるために、あえてワンルームや1Kの単身者向け物件を建てる傾向にある。だが単身者は長期入居しづらい。

2020年12月に公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)が発表した「第24回 賃貸住宅景況感調査『日管協短観』 」によると、単身者の平均入居年数は2~4年の割合が一番多かった。卒業や結婚、転勤などライフステージに変化が起こると、単身世帯の入居者は、引っ越すからだ。

退去が頻繁に起こると、原状回復費や、入居者募集のために仲介会社に支払う広告費が多く、コストがかかりやすい。④について、不動産を所有すると、土地や家屋にかかる税金として固定資産税や都市計画税を納める必要がある。都心部は地価が高いことから、郊外よりも税金が高くなりやすい。

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