短所をカバーするホームステージのテクニック講座

ファミリータイプのステージング リビング工夫し楽しい生活を想起させる

 ファミリーの場合、一般的に家族がそろう場所での生活イメージが湧くと購買意欲をかき立てられるようです。ファミリータイプの部屋はリビングをしっかりとつくりこむことにしています。 

 今回はリビングのステージングのポイントを実務に沿って共有したいと思います。 

 リビングのステージングは、特に内見する人の目線を意識するようにしています。部屋はなるべく区切らず、例えばリビングに隣り合っている部屋などはドアを開け、一続きの空間としてインテリアをつくるようにしています。生活のイメージを湧かせるために必要な場合は、視線より低い家具で空間を区切るようにしています。

 他に、ガラスタイプのダイニングテーブルやナチュラルな色合いの家具で統一することでも空間を広く見せる効果があります。

 最近はワークスペースをつくることも増えました。このスペースをリビングにつくる場合も他の家具と高さや色合いを合わせると、一続きになった部屋の面積は実際以上に広く感じられます。 

 家具を配置するときはダイニングからもリビングからもテレビが見られるよう、部屋の中央に配置することが多いです。こうすることでそこから生まれる会話もイメージしてもらえます。

 また、部屋に入った際、正面に背の高い家具があると圧迫感が出て「狭い」という印象を与えてしまいます。背の高い家具を置く場合、遠近法を利用し、入ってすぐのドアに近い場所に置くようにすると、スッキリと広く感じます。

 人の目は部屋の広さを「床面の空き」で感じ取っています。部屋の中央や家具との間に床面が多く見えていると広いと感じます。私がリビングのステージングを行う場合、ソファの前にセンターテーブルを置かないのはこのためです。

 テーブルやデスク、ソファなど大きな家具はなるべく壁面に沿って配置すると空間にゆとりが生まれ、案内の動線もスムーズになります。 以前のコラム内容と重複しますが、私は「人はワクワクにお金を出す」と考えています。ファミリーの場合、「家族が楽しく生活しているイメージをどこまで膨らませられるか」が大きなポイントになると考えています。

 今回紹介した部屋が空室に困っている人の一助となれば幸甚です。

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