賃貸経営基本の”き”第3回普通借家契約と定期借家契約①

契約更新の書面送付は契約満了2カ月前に実施

賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」という2種類の契約がある。普通借家契約は、賃貸契約期間が満了しても、入居者が引き続き住むことを希望している場合には、家主に正当な事由がない限り、家主は契約の更新を拒絶できないという規定がある。

弱い立場の入居者の保護を図るという「借地借家法」の原則が適用される契約が、普通借家契約だ。これに対し、定期借家契約は、契約期間更新のない契約で、契約期間が満了した時点で終了する契約である。

多く利用されるのは普通借家契約。契約期間は2年というのが一般的で、契約の更新は、家主、入居者双方の契約継続(更新)の合意により更新手続きが行われる「合意更新」が通例となっている。特段の更新手続きがなされなかったときは、従前の契約と同一条件で更新されたものと見なされる「法定更新」となる。

契約の当初に更新する旨をあらかじめ約束する更新の方法「自動更新」もある。賃貸借契約は地域により慣習が異なり、大阪や北陸では「自動更新」が多い。

「合意更新」の場合は一般的には、契約満了の2カ月ほど前に不動産会社から「契約更新について」の書面を送付する。契約書にはたいてい「解約」の条項に、入居者は1カ月前に家主または管理会社に解約の通知をしなければならないという旨の記載があるため、1カ月以内に更新に関する意向について確認する。

この「契約更新について」の書面は、自主管理の場合は家主自身が送るケースと仲介した不動産会社が送るケースがある。仲介した不動産会社が送る場合、更新する際の手続きを不動産会社が行い、更新手数料を入居者から受け取る。

更新手数料は不動産会社によっても異なるが、家賃の1〜2カ月分だ。 契約を更新せず、契約期間満了で解約する場合は、退去日と退去立ち会い日を決定する。退去立ち会いの際に、部屋の状態を確認する。入居時に部屋の状態を入居者と共に確認し、場所ごとに写真撮影をしてもともと傷や汚れがないことを確認する。

そのときに確認した資料を基に、退去立ち会いでは両者で確認する。その際に明らかに経年劣化や通常使用で汚損・損傷してしまった場合の修繕費は家主負担となる。だが、入居者が故意に壁や床などを傷つけたり壊したりして汚したりした場合の修繕費は入居者負担となる。

この退去立ち会いは非常に重要な業務となる。退去するときに入居前の状態に部屋を戻す「原状回復」を巡る費用負担についてのトラブルは少なくないからだ。

そのため国土交通省では、修繕費用が家主側、入居者側どちらの負担になるのか判別するために、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を制定。東京都はそのガイドラインの内容を「条例」としている。

さらに、4月に改正された「民法改正」で、この原状回復に関するガイドラインが新規条項として追加された。 その他、あらかじめ契約書に特約として「退去時のハウスクリーニング代◯万円を借主負担とする」と明記している場合は、原状回復費用が決定後、原状回復費用とハウスクリーニング代を敷金から精算し入居者の口座に返金する。

こうした手続きは、自主管理の場合、家主自身が行うか、仲介した不動産会社が引き受けてくれるケースがある。賃貸管理を委託する場合、サブリース委託する場合では、管理会社が手続きをする。

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