ヨーロッパの田園を模した中庭のある賃貸

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建設中の画像で竣工前に全10戸成約

 物件DATA
「メゾンオリヴィエ」
【所在地】茨城県日立市
【構造】木造2階建て
【住戸数】10戸
【竣工年】2020年3月
【部屋タイプ】1R(26㎡)、1LDK(38㎡)
【賃料】5万7000 ~ 6万9000
円※駐車場代別途1台3300円

 日立製作所(東京都千代田区)創業の地で知られる茨城県日立市に立つ「メゾンオリヴィエ」。ヨーロッパの田舎にたたずむ家のような同物件は、竣工前の募集開始後3カ月以内で満室となった。 建物はJR常磐線「大甕」駅から徒歩6分の場所に位置し、2棟で構成。各棟の間には、約200㎡ある緑豊かな中庭が広がる。

 特徴的なのは、全戸の玄関とバルコニーが中庭に面している点。中庭は各住戸へのアプローチ機能を兼ねている。コンセプトは「ヨーロッパの中庭がある建物様式と、日本の、茶室と一体につくられた『茶庭』の概念の折衷」と、企画・設計を手がけた丸山保博建築研究所(東京都杉並区)の丸山保博代表は話す。

 キッチン・浴室・トイレなどの水回りは片側に集めているため、居室の奥行きが1LDKタイプで10mと細長い。内部廊下をつくらずスペースの無駄をなくし、住戸数を増やして利回りを上げられる人気物件話題のからだ。

 建材は、土・石・木・植栽といった自然素材をできるだけ採用。外壁は白セメントと土を混ぜたものを用い、天然石を貼った。階段やバルコニーの手すりなどはコストを考慮し、既製品の部材を使ってロートアイアン調に造作するなど工夫を凝らした。植栽はメンテナンスの手間がかからない丈夫な常緑性多年草やオリーブの木を取り入れている。

 入居者の約9割が男性で、日立製作所関係の会社員が大半。年齢層は20代から60代までさまざまだ。

ほかにない建物の外観と、中庭が醸し出す全体的な雰囲気を気に入って入居を決めた人が多いと管理会社は話す。建物の牧歌的な雰囲気とは裏腹に、オートロックや浴室乾燥機といった最新の設備も好評のようだ。家賃は1Rタイプだと5000円程度相場より高い。

「新型コロナウイルス下で在宅時間が増える中、癒やしを提供する中庭という付加価値を与えたいと考えた。この価値は年月を経ても下がることはない」(丸山代表)

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