的確なアドバイスで課題解決 情報共有は改善のヒント

賃貸経営賃貸管理#不動産会社が贔屓する 「愛され家主」

管理会社の担当者は大切なパートナー。多くの物件の管理を担当しているプロとしての経験を自分の物件に生かしてもらえることも多いだろう。ただ、管理会社では多くの物件の管理を行っているため、家主自身や物件を印象づけることや、管理担当者に快適に働いてもらう工夫が肝心だ。今号では、良好な関係を築いている家主と管理担当者へのインタビューや、管理担当者の本音座談会の様子を紹介する。ぜひ信頼関係構築のヒントにしてほしい。

 

親の代から積み上げた信頼 2人の役割分担で円滑経営

岡田功オーナー X 小島夕奈店長

(右)岡田功オーナー(54)(川崎市)
川崎市、横浜市を中心に、5棟29戸を所有。家主歴10年。

(左)ミライエ町田店(東京都町田市)小島夕奈店長
「小島さんが担当で良かった」と言われる対応がモットー。

 

――自主管理から管理委託に切り替えた経緯を教えて下さい

岡田功オーナー(以下、岡田):私は、東京都町田市の玉川学園でアパートを経営しています。今、ミライエにお願いしているのは3棟21戸。かつては自主管理だったので、空室が出るたびに自分自身でマイソクを作って、周辺の不動産会社を回っていました。いつも20社ほど出向いていましたね。

小島夕奈氏(以下、小島):そんなに回っていたのですね。

岡田:一店一店回る中で、「あ、この仲介事業者はいいな」と思ったのがミライエでした。対応してくれた方の姿勢はもちろんですが、チームの雰囲気がよかったのです。非常に活気があると感じました。

小島:当社は代表も含め、メンバーは20~30代の若手が中心。フットワークの良さと活気が自慢です。管理戸数は約300戸になります。

岡田:実は、最初は管理を委託するつもりは全くなかったんです。しかし、兼業家主であるがゆえ、入居者からの問い合わせにリアルタイムで対応できないことが時々ありました。そんなときミライエが、一次対応だけならサービスでやりますよと打診してくれたのです。

 

――今では多くの物件の管理を任せていますね。

岡田:頂いたアドバイスで課題を解決できたことがきっかけでした。家賃滞納のトラブルです。単身の塗装業の男性で、体調不良や悪天候が続くと収入が得られないので、家賃を滞納しがちでした。困っていると、「生活保護を申請してみたら」とアドバイスをくれたのです。ところが生活保護に切り替えてもまだ滞納が続きました。次にミライエは、「町田市からの代理納付にしたら」と教えてくれました。やり方が全然わからなかったのですが、ミライエが動いてくれたんです。やはりプロはすごいな、自分だけではできないと感心しました。

小島:それは岡田さんが提案をすんなり受け入れて、当社に相談してくれたことが大きいと思います。管理をするうえで大切なのは、いかにこちらのアドバイスに耳を傾けてもらえるかです。何か工夫するためには家主の協力が欠かせません。こちらがまっとうなアドバイスをしても、聞き入れてもらえなければ意味がありませんから。

岡田:皆さん、年齢は20~30代と若いのですが経験は豊富だと話してみてわかったので、信頼しています。その後から正式に管理を委託することにしました。

想定した入居者像に合わせてフルリノベーション。内見者の心をつかむ

 

――岡田さんの物件はどんなところが魅力ですか。

小島:直接岡田さんと話す前に、私が物件の写真を撮りに行ったことがありました。そのときに、入り口の採寸用のメジャーがおいてあって感動したんです。心配りを感じる物件だと、決めなければならないとモチベーションが上がります。

岡田:私は、小島さんが内見の立ち会いから得た入居者の生の声を教えてくれるのがうれしいです。小島さんはネガティブな情報を隠さないので、かえって信頼できます。それが改善のヒントにもなりますし。

小島:家主が話しやすい雰囲気をつくってくれるからこそです。耳の痛い情報を話しても、岡田さんなら「じゃあ、こうしてみようか」と建設的な話ができます。話を聞いてくれない家主に対しては、ネガティブな情報はオブラートに包まざるを得ないのです。

岡田:安易に家賃を下げる提案をせず、いろいろ手を尽くしてくれているのがありがたいです。これからも、仲介の現場の声をもっと聞きたいです。

小島:家賃を下げる前にできることはたくさんありますから。エリアの需要やどの属性の人が動いているかなど、ディスカッションもしています。私の忙しい時間帯以外に来てくれるので、非常に助かっています。

岡田:自分の手が回らない部分をプロに任せられますし、小島さんと話すと勉強になります。

ブルーの壁紙に、白いキャットステップが映える

 

――今後の2人の目標を教えてください

小島:今ちょうど1戸、岡田さんの物件で空室があります。そんなときは落ち着きません。今日は写真の色合いや明るさを編集して第一印象を良くしてみました。「千里の道も一歩から」、日々の積み重ねでもっと信用していただいて、これから増えていく物件も私に任せてもらえるようになりたいと思っています。

岡田:すでに大事な運命共同体、パートナーだと思っています。今後数年で事業規模を拡大したいと思っています。ますます、お互いにとって重要な存在になっていきたいです。

(2024年3月号掲載)

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