【特集】人気設備から読み解く 2025年のトレンド:注目設備8選①

賃貸経営住宅設備・建材

省エネ
断熱と防音の効果増す内窓

 YKK AP(東京都千代田区)の内窓「プラマードU」は、既策物件に取り入れやすい省エネ設備だ。

 既存の窓との間にできる空気層が断熱効果を発揮する。フレームは樹脂製で、アルミの1400倍熱を伝えにくい。それに加えて複層ガラスを採用すれば、さらに断熱性能が増す。

 断熱だけでなく、窓の気密性も高まるので防音効果が上がる。同社によれば15デシベルの低減効果があり、外から聞こえる音が半分程度にまで抑えられるという。結露の発生を抑え、紫外線もカットすることができるため、フローリングの劣化の抑制にもつながる。これらは建物自体への効果のため、家主にとってもうれしい。料金の一例は、引き違い窓の大サイズ・Low–E複層ガラスのアルゴンガス入り仕様で部材標準販売価格は20万5920円(税込み)。

▲右側に設置されている窓がプラマードU

 国は、断熱性の高い窓への改修を促進して既存住宅の省エネ化を促す補助金制度「先進的窓リノベ2024事業」を設けている。1戸あたり200万円を上限として工事にかかった費用の2分の1程度を補助する。25年度も引き続き補助金制度は継続される見通しで、環境省は「集中支援期間の最後の年度」としている。同社のMADOショップ推進室長の浦野千代美氏は「補助金制度があるうちに検討してみてはどうでしょうか」と語る。

省エネ
既存枠を残すカバー工法ドアの元祖

 三協立山・三協アルミ社(富山県高岡市)の集合住宅向けドアリフォーム製品「NOVARIS(ノバリス) アパートドア」は、既存のドア枠を残して、その上から新しく取り付ける「カバー工法」によるドアリフォーム製品の元祖。建物の壁を壊すことなく、1日で工事が完了する。建て替えをせずに物件の価値を高めたい家主に人気だ。補助金制度「子育てエコホーム支援事業」「先進的窓リノベ2024事業」の対象商品でもある。

▲NOVARISアパートドアのポストなしタイプ

 製品はデザイン別に3タイプあり、それぞれカラーバリエーションは12色。断熱性能は、国内の温暖な地域におすすめのK4仕様と、より断熱性能を高めたK2仕様の2種類がある。

 鍵はテンキー、カードキー、物理鍵のいずれかを選べる。物理鍵は、管理者専用鍵を使ってシリンダーの交換をせずに子鍵の変更が可能なチェンジキーシステムを採用した。

 同社の住宅事業部住宅建材部部長の大石巌生氏は「退去が出た住戸や、新たに取得した物件の空室にNOVARISアパートドアが導入されています。玄関ドアが変わるだけで住戸や物件の雰囲気も変わります。入居者に喜ばれたのでほかの住戸にもNOVARISアパートドアを導入したリピーターの家主も多いです」と語る。価格は24万4860円(税込み)から。

(2024年12月号掲載)
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