節電効果が高い窓ガラスコーティング剤
塗るだけで遮熱・断熱性能をアップ
中小の工務店や不動産会社に向けて住宅の60年保証などを行う一般社団法人住宅支援機構(東京都港区)は、断熱ガラスコートの製造・研究などを手がけるスケッチ(東京都台東区)と連携し、窓用コーティング剤「省エネガラスコートH︱SC」の普及を進めている。窓ガラスにローラーで塗るだけで熱をはね返し、断熱・節電効果を発揮するものだ。
同商品は通常、室内側から窓ガラスに塗ることで効果を出す。一度の塗装で性能が発揮されるよう、材料の改良を重ねてきた。施工は、塗装会社だけでなくハウスクリーニングやビルメンテナンス、エアコンクリーニング会社でも可能だ。
塗装すると、ためた熱を手前にはね返す効果を発揮する。蓄熱再放射という仕組みで、熱量の約3分の2を塗った手前側にはね返して、約3分の1がそのまま抜ける。つまり、夏は屋外からの熱をはね返すので室内が涼しく、冬は暖房熱を室内にはね返すので暖かい。ガラス自体が熱を持つため、結露も塗装前と比べて半分以下になるという。
具体的な効果を数値で表すと、塗装した単板ガラスとペア(複層)ガラスはUV(紫外線)カット率が99%、赤外線カット率が90%にアップする。可視光線透過率は単板ガラスが72%、ペアガラスは70%だ。窓自体の遮熱・断熱効果が高いLow︱E(ロウイー)ペアガラスに塗装すると、その性能はさらに高くなる。
「2011年の東日本大震災で節電対策の重要性が叫ばれた時期に売り始めた商品です。近年、電気代が高騰していることから、節電効果が高い商材として改めて注目されています。競合の商品もありますが、成分の配合率と材料から見ると、明らかに性能が違います」と同法人の堰口新一代表理事は話す。
施工価格は1㎡あたり1万3200円(税込み)。省エネルギー効果はもちろんだが、日射による家具の劣化やカーテンの黄ばみ予防、リフォームの商材としても期待できる。
「今後はさらに住宅向けに広く提供していきたいです。マンション全体や光熱費込みのシェアハウスなど、賃貸物件のオーナー向けにもおすすめです」(堰口代表理事)。
なお合計面積が10㎡以下の場合、一式 13万2000円(税込み)となる。
(2025年1月号掲載)
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