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3DKをコワーキングスペース化 住民同士の交流活性を目指す

 築47年の4階建てマンション「荒井ビル」の2階部分をリノベーションした「コワーキングスペース錦糸町」が11月1日にオープンした。JR総武線錦糸町駅から徒歩4分の場所に立つ同物件のリノベを手がけたのはアクセットの不動産事業部(東京都墨田区)。同区で不動産管理事業を行っている。

▲コワーキングスペースの月額利用料月額1万1000円(税込み)には1階のコーヒーショップの本格コーヒー5杯無料も含まれる 

 60㎡強、3DKの間取りをコワーキングスペースに変えた。「排水管が壊れ、水漏れのひどい部屋でした。排水管をすべて取り替え、キッチンやユニットバスもすべて入れ替える必要がありました」と不動産事業部の荒川直也部長は話す。

 築年数を考えると、大きな金額をかけて水回りのリノベをしても家賃アップを実現するのは難しい。そこで、同社で借り上げ、別の価値付けをすることを家主に提案した。

 荒井ビルはもともと同社が管理している物件。入居付けに苦労していた1階部分を23年10月に借り上げ、昼はコーヒーショップ、夜は立ち飲み店の経営を開始した。すると、来店する人々の間で少しずつコミュニティーが形成され始めているのを目にした荒川部長。「錦糸町は利便性が高く、若い世代の流入も増えているように感じます。しかし、あくまでも居住空間としての場所しかなくお互いのつながりがありませんでした」と話す。コワーキングスペースにした理由は、そうした町の新しい住民同士をつなげる場所づくりができたらと考えたためだという。

 今後も、入居付けが難しくなった物件を借り上げ、別の用途として再生していきたいと考える。「まちに面白そうな場所があると、別の面白いことを考えているテナントが近くに入るでしょう。それが続くことで、まち自体の活性化につながると思うのです」と荒川部長は話す。

(2025年1月号掲載)

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