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オフィスの敷金を減額し、テナントの入居促進
日商保
オフィスの入居時にかかる敷金(保証金)は、賃料の半年分やそれ以上の金額が必要になることもあり、入居企業にとっては負担が大きい。この敷金を保証するサービスを不動産オーナーに提供しているのが日商保(東京都港区)だ。敷金を減額することで入居を促進し、万が一損失が発生したときに補償しながら物件の稼働率向上に寄与する。
入居時の負担を軽減 リーシング強化に寄与
オフィスに入居するテナント企業の入居時の敷金を減額して入居促進を図るのが、日商保の「敷金半額くん」だ。同社がテナントの審査および賃料などの保証を行うことで、貸主が求める敷金を減額する。
スタートアップから大手まで、幅広い企業が対象。入居時の費用負担を軽減できることから、オフィスや店舗など事業用不動産のリーシングの強化に寄与するサービスとなる。
保証範囲は賃料や共益費、水道光熱費、原状回復工事費用、違約金など、賃貸借契約の規定において入居企業に発生する債務全般で、下限100万円から上限なしで保証する。貸主の承諾があればどんな物件でも利用可能としており、連帯保証人は不要だ。また家具などのセットアップサービスも提案し、物件の価値向上と入居促進につなげている。
入居企業に対しては、決算書による過去の財務データのほか、事業計画や経営者評価などを組み合わせた独自の与信システムで審査を実施。契約期間は2年で、減額できた敷金の5%を年間のサービス利用料として受け取る。審査期間は3日程度で、通過率は約85%。大手損害保険会社と保険契約を締結しており、保証履行による損失の補償を受けることで貸主の安心感を高めている。
貸主としては、不動産投資法人を含む大手デベロッパーを中心に数百社が利用している。利用実績が蓄積されてきたことから、敷金の全額を保証する案件も増えているという。同サービスのほかに、入居中の企業に対して敷金を返還するサービス「敷金返還くん」も提供する。
3月7日には、不動産オーナーより賃料査定の相談が増えた事を受け、テナントの与信審査と賃料査定を組み合わせた「リーシングマネジメントサービス」の提供を開始した。周辺物件を含めたマーケット調査やターゲット企業の選定、募集条件の提案や物件の周知活動などをセットにしたサービスで、高賃料・早期成約を支援する。
対象物件をサイトで紹介 価値向上から売却まで支援
同社は保証対象となる物件を集約したポータルサイト「Growth Office(グロースオフィス)」も運営しており、1600件以上の物件情報を掲載する。2024年10月には売買仲介事業にも参入し、保証によるリーシング強化から、家具の設置による賃料アップの提案、売却まで一貫して手がける体制を構築。事業用不動産の運営を幅広く支援する。

※日商保提供資料を基に地主と家主で作成
(2025年7月号掲載)