【特集】ハイエンド向けペット可賃貸併用住宅

賃貸経営空室対策

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ペット可・ハイエンド向け設計

 賃貸併用住宅のもう一つの事例として、吉田直オーナー(茨城県つくば市)が24年11月に竣工した2戸の賃貸用居室を持つ物件を紹介する。鉄骨造で1LDK、周辺の研究機関に勤める高所得層の単身者をターゲットにした。

吉田直オーナー(茨城県つくば市)


 防災を意識してあえてプロパンガスを導入し防犯窓を使用したほか、ソーラーパネルを設置。耐震性能も高く、自宅避難が可能な家になっている。

 1階部分に住む吉田オーナー一家は動物好きで、夫婦と二人の子どもで魚類や鳥などを飼育している。過去に猫を飼育していたことがあり、猫を受け入れられる建物を意識している。

 水野オーナーら複数の猫物件オーナーが参加するLINEグループで相談しながら設備を考えた。藍代表の経営する猫カフェを訪れ、洗面所以外には店と同様にシラス壁を採用した。消臭、調湿、空気清浄の効果が期待できて人間にとっても快適な空間を作れるうえ、猫が爪を研がない材質だ。

 そのほか、物件のエントランスには犬の飼育を想定した温水足洗い場などもある。

 吉田オーナーは「妻が元動物看護師なので、入居者も安心してペットが飼えると思います。私たち家族も多くの動物を飼育した経験がありますから、アニマルシッターのような事業をはじめることも想定しています」と話す。

 筑波山が望める部屋のほか、広いテラスを有する部屋もあり、つくばで働くハイエンド層にペットと共にゆったりと暮らす空間を提供する。

▲ソーラーパネルの発電量を確認できる

 

PICK UP

他物件との差別化を図る ペット用品専用ランドリー

三共工業(長野県松本市)
営業部 花村禎紀氏

 猫飼育可の物件は少なく、特に多頭飼育の許可などで需要が確保できる。一方で、ほかの猫物件とのさらなる差別化を考えるオーナーもいるだろう。
 コインランドリーへの業務用洗濯機販売を手掛ける三共工業(長野県松本市)営業部の花村禎紀氏は、ペット用品専用ランドリーの需要を語る。
「賃貸住宅での事例はありませんが、コインランドリーやペットサロン、ドッグランなどにペット用品用の洗濯機が導入されています。通常のコインランドリーでペット用品を洗うことはできないため、一定の需要が見込めます」(花村氏)

ペット用品に特化した洗濯機

 ペット用ランドリーは通常の業務用洗濯機を使うほか、ペット用品専用の機械を導入することもできる。
 専用機は特別養護老人ホームで使われる汚れのひどい洗濯物を処理する機械を基に作られており、通常よりも排水穴が大きい。また排水時に特殊な機構で毛をキャッチすることで配水管が詰まりにくくしている。
 乳児用衣類にも使え、防ダニ効果のある洗剤を使うことで、自宅で洗濯するよりもペットに優しい仕上がりになる。

(2025年9月号掲載)
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