名古屋|築古物件を生かすニュータウンの再開発
杉村八千代オーナー

かつて未来のまちとして誕生した春日井市の「高蔵寺ニュータウン」。1968年に入居が始まり、最盛期には5万人を超える住民が暮らしていました。半世紀が過ぎ、少子高齢化と空き家の増加が進行しましたが、再生に向けて開発が始まっています。
中心となるのが、春日井市が策定した「高蔵寺リ・ニュータウン計画2021—2030」です。JR高蔵寺駅北口では、駅前エリアでバスやタクシー、送迎車の動線を整理し、人々がとどまりにぎわいを生み出す新たな広場を整備する予定で、2027年の着工を目指します。
また同高森台エリアでは独立行政法人都市再生機構(横浜市)と連携し、老朽化した団地の再生が進行中です。約1100戸を段階的に解体し、医療・福祉施設や多世代型住宅を組み合わせた「スマートウェルネス」を目指したまちづくりへの再構築を検討。これに並行して、既存団地を生かした住戸のリノベーションも広がっています。
周囲に広い公園が多く、すでに生活環境が整っている高蔵寺ニュータウンの再生は、「古さ」を価値に転じる挑戦の象徴といえます。古い物件を生かして人気の賃貸物件に変えていく視点が、今後賃貸経営にも大切ではないでしょうか。
(2026年 1月号掲載)






