広島|ホテル建設で観光スタイルの変化に期待
豊田裕之オーナー

広島県の宮島では、新型コロナウイルスの収束後に来島者数が急増し、2025年は過去最多の500万人に達すると予想されています。しかし、観光客の多くは京都府や大阪府などを拠点とする日帰り訪問にとどまり、宿泊需要が県外へ流出。観光庁の調査によると、広島県での外国人の宿泊数はほかの都市と比べて伸び悩んでいるのが明らかになっています。新幹線の利便性が高く、京阪神エリアでのホテル供給が潤沢なことから、宮島はこれまで「日帰りで消費される観光地」とされてきました。
こうした状況を打破する動きとして、島内外で高級ホテルの新設計画が相次いでいます。星野リゾート(長野県軽井沢町)による26年夏開業予定の「界 宮島」は、地元で大きな話題となりました。またヒルトン(アメリカ)は最上級ブランドホテル「LXRホテルズ&リゾーツ」の28年ごろの開業を目指しており、日本国内および海外からの富裕層の来訪が期待されています。
今後、特に欧米の富裕層に多く見られる長期滞在のスタイルが定着すれば、宮島観光のイメージが大きく塗り替わる可能性があります。滞在時間が延び、観光事業を基盤とした地元の経済活性化に寄与してくれることを楽しみにしています。
(2026年 1月号掲載)






