賃貸住宅断熱体感バスツアー参加レポート

賃貸経営イベント

<<東京都主催 賃貸住宅断熱体感バスツアー 参加レポート>>

東京都は2025年10月15日、都内の住宅における約半数を占める賃貸住宅の断熱設備・再生エネルギーの利用を進めるため、高断熱住宅を見学し、断熱性能がもたらすメリットや快適さなどを体感するバスツアーを開催した。同バスツアーの様子をレポートする。

YKK AP体感ショールーム見学
断熱窓やサッシに直接触れて実感

 東京都が主催した「賃貸住宅断熱体感バスツアー」には12人の賃貸住宅オーナーが参加した。このバスツアーは、都内のCO2(二酸化炭素)排出量の約3割を占める家庭部門からの排出削減に向けて、1棟以上の賃貸住宅を所有するオーナー向けに開催されたものだ。

 参加者はAグループとBグループに分かれ、午前・午後の2部制で「ソーラーレジデンス北栄」の見学、トークセッション、YKK AP(東京都千代田区)の体感ショールームの見学を行った。東京都港区にあるYKK APの体感ショールームでは、同社の断熱窓や断熱窓枠(サッシ)の効果や性能を体験した。

 このショールームでは、まず二重窓や既存の窓をおおう形で断熱窓にするカバー工法など、リフォームによる窓構造の違いで結露量や室内温度の変化を体験。冬の早朝を再現した室外と25度の自動運転を行うエアコン稼働を再現した部屋で、リフォーム前後の部屋の温度の違いに驚きの声が上がった。

 またUV発熱ライトを使って窓構造による夏場の環境の違いを再現したコーナーでは、参加者が窓ガラスに直接触れて、構造と素材で表面温度が大きく異なることを体感した。

 ショールームのメインでもある「断熱効果の体感ROOM(ルーム)」では、一般的な1980年築の木造住宅と、断熱等級6および7相当の住宅を再現した3部屋で、冬に暖房を稼働させている環境を体験した。この部屋でスリッパを脱ぐと、床の温度を感じることができ、参加者からは「全然違う」との声が聞かれた。

 

▲窓に直接ふれて性能の違いを体験できる

講演とトークセッション
都や経産省の補助金も紹介

 AグループとBグループが同時に参加した講演とトークセッションにおいては、最初に東京都環境局気候変動対策部の矢嶋圭課長が、賃貸住宅オーナーに対する省エネルギー改修・断熱化、再生エネルギー利用に関する補助金事業を紹介。同時に、都内の賃貸住宅を棟単位で所有する賃貸オーナーを対象に新たに開始したコンシェルジュによる支援の説明を行った。登録事業者が省エネに関する補助申請から性能表示まで伴走支援する仕組みだ。

 講演にはKnees bee(ニーズビー)税理士法人(東京都千代田区)の渡邊浩滋代表が登壇した。自身がオーナーとして所有する物件での断熱窓リノベ導入事例を紹介。

 税理士視点での断熱工事の利点として、窓リノベは10万円以下の場合、消耗品として全納税者が、30万円以下の場合は青色申告者が経費計上可能であることを伝えた。また補助金は50万円以下なら非課税になり、窓リノベは入居者満足度および税務上の費用対効果が高いことを語った。

 続くトークセッションには渡邊代表と住宅メーカーWELLNEST HOME(ウェルネストホーム・名古屋市)の川嶋廉氏、賃貸住宅入居者代表としてインフルエンサーのKaho(カホ)氏が参加し、参加者からの質問にも答えた。

 最後に経済産業省資源エネルギー庁・省エネルギー課の宮岡俊輔課長補佐が登壇。省エネ型給湯器に対する同庁の補助金を紹介した。

▲トークセッションでは(左から)川嶋氏、渡邊代表、Kaho氏がそれぞれの立場から断熱住宅について語った

高性能賃貸住宅を訪問し見学
2LDKの高性能住宅を体感

 今回のバスツアーにおける目玉である高断熱・高気密性能の賃貸住宅見学では、千葉県浦安市のソーラーレジデンス北栄を訪問。2階建て6戸が並ぶ長屋形式の建物の1室を見学した。

▲「ソーラーレジデンス北栄」の一室を見学した

 室内ではソーラーレジデンスシリーズを手がけるELLNEST HOMEの担当者から同シリーズについて説明が行われた。同物件は、高断熱・高気密と太陽光発電を備える。

 実際の建材や部材を見ながら説明を聞き、参加者からは電気料金や換気効率に対する質問があった。

 都は26年1月にも賃貸住宅オーナー向けに、賃貸住宅の断熱性能向上を推進するイベントの開催を予定している。

 

▲実際に使用される建材も展示されている

▲ショールーム見学の様子

当日紹介された補助事業一覧
◇賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業(東京都)
◇賃貸集合給湯省エネ2025事業(経産省資源エネルギー庁)


(2026年2月号掲載)

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