障がい者グループホームを運営 -ケアサポート・ウィン

土地活用高齢者住宅・介護福祉施設

<<注目の遊休地活用ビジネス>>

西東京エリアで障がい者グループホームを運営
設立5年で全9施設・100%の稼働率を実現

ケアサポート・ウィンは2020年8月に設立し、東京都日野市をはじめ西東京エリアを中心にして、障がい者グループホーム9カ所を展開している。既築のアパートや戸建てを中心に、小規模ながら70部屋を運営し、全棟全戸の満室を維持している。施設運営のポイントを、同社の平澤聡社長に聞いた。

ケアサポート・ウィン(東京都新宿区)
平澤 聡 社長

不動産業から福祉へ 障がい者の住まいを支援

 ケアサポート・ウィンは現在、障がい者グループホーム「ハウス・ウィン」を9カ所と、訪問看護ステーション1カ所の合計10カ所の福祉事業所を運営している。同社の親会社であるワールドウィンは、2010年に創業した総合不動産業で、主に収益物件情報の提供や企画開発などを手掛けていた。その中で、より安定したビジネスを模索していたところ、障がい者を預かる施設が不足していることを知る。

 そこで、これまで培ってきた物件企画を活かせると判断し、福祉事業に参入。障がい者支援事業などを立ち上げ、2020年に障がい者の住まいをサポートするケアサポート・ウィンを設立するに至った。

 障がい者グループホームとは、障害のある人が必要な支援やサポートを受けながら、共同生活する住まいのこと。アパートタイプと戸建てタイプがあり、どちらにも世話人が常駐する。

 入居条件は、障がい者手帳を所有する18歳以上65歳未満の人だ。障害者支援区分は区分1~6まであり、数字が大きくなるにつれて障害の重度は高くなる。重度5以上になると車椅子利用の人がメインになるので、バリアフリーにしたり、施設を揃えたりする必要がある。同社は中古物件を転用する場合も多いので、ニーズが厚い中軽度の人を対象にしている。

急成長より安定が最優先 体験入居で相性を確認する

 2021年1月、1棟目となる「ハウス・ウィン日野」をオープン。その2か月後に立川、さらに半年後に多摩、八王子と1年で4棟を立ち上げた。3棟目までは中古アパートを借り上げている。なかでも日野は総戸数38戸の鉄骨マンションで、そのうちの約10部屋を借り上げて7部屋を居室、1部屋をパブリックスペース、残りを世話人など職員のスペースに割り当てている。

 1棟目の日野はスタッフが業務に慣れるまで約半年の期間を要した。平澤社長は「新規参入で母体が不動産会社ということもあり、オープン当初は地域のケアマネージャーや相談支援員も半信半疑でした。『こういった案件を受けられますか』と様子を窺うような対応で、満室になるまで1年近くかかりました。なお、八王子はさらに時間がかかりました」と振り返る。

 しかし、満室になるまでのスピードにこだわっているわけではない。1年に4施設出店と急拡大したように見えるが、平澤社長は「出店も慎重ですが、受け入れはもっと慎重」と言う。同社は2週間の利用体験を推奨している。周りの人との協調性があるか、先住者との人間的な相性に問題がないかを確認するためだ。その結果、入居が決まるのは3件に1件だという。

 障がい者グループホームの収益は、利用料と保険収入の2つで成り立っている。利用料は、住まい・サービスを提供する対価として、利用者から家賃や食費、水光熱費、日用品費などを実費で受け取る。もう1つは、利用者へのサービス提供を基に自立支援給付費を国民健康保険団体連合会(国保連)より支払われる。障害支援区分で基本報酬の金額は変わり、地域によって家賃相場などに基づいて単価も異なる。

ドミナント戦略を徹底 効率運営で満室経営

 同社は現在、9カ所ある障がい者グループホームの全70部屋が満室だ。どの施設も開設から1年以内で満室になっている。その要因について、平澤社長は「ドミナント出店にこだわったことが良かったと思います。1カ所が満室になって待機者が出たとしても近隣の施設を紹介できます。これは利用者だけでなく採用面でもプラスです」と話す。

 障がい者グループホームの管理・運営を担うのは、主にサービス管理責任者だ。障害者総合支援法により、障害風刺サービス事業所の利用者数に対して、決められた人数のサービス管理責任者を配置することが定められている。同社には4人のサービス管理責任者が在籍しており、その配下で世話人をはじめ多くのスタッフが従事する。1人のサービス管理責任者が見られるのは30人。ドミナント出店することで、スタッフを効率よく配置することができている。

 ドミナント戦略の優位性は誰もが認めるところだが、障がい者グループホームという特性上、物件探しは苦慮する面がある。同社も1棟目をオープンさせる前、23区内で借り上げの申込書を提出したが、オーナーに拒否された苦い経験があると思う。

 中軽度の人は、就労Bに行くので駅が近いに越したことはない。しかし、駅近物件は近隣住民が反対する可能性もあるので、駅から少し離れた場所が望ましい。特に、新築で建てる場合は顕著だ。お知らせ看板を立てた後、近隣への説明会が求められる。こうした説明会は、法的会は法的には不要だが、住民にはさまざまな思いを抱く人がいる。無事にオープンしたとしても、運営途中で嫌がらせを受ける危険性もあるという。

ハウス・ウィン稲城

西東京エリアでさらに拡大 200室の構想を描く

 設立から5年が経過した今、平澤社長は「優秀な人間が残ってくれているので、現場を回すのに不安はない」と話す。そして次のステージに向けて、さまざまな思いを巡らしている。

 その1つは、訪問看護ステーションの展開だ。2023年6月に「ヘルパーステーション・ウィン清瀬」を皮切りに3施設を開設しており、障がい者グループホームとの親和性が高いという。同社のグループホームでも、一定の割合の居住者が訪問看護を利用している。基本的に医師の診断書が無いと勝手に回ることができないが。訪問看護センターがあるというだけでグループホームの人気が上がる。

 「在宅だけだと1日に多くを回れません。しかし、グループホームがあれば1軒ずつ回る手間は省けるので看護師の負担も軽減できます。そういった意味でも相性はいいです」(平澤社長)

 2つ目は、西東京エリアでグループホームのドミナント出店をさらに広げていくこと。平澤社長は「地域の有名病院のベッド数は200床と言われています。当社の部屋数は70室。まだ3倍のキャパシティがあります」と、病院のベッド数を指標にして障がい者グループホーム200室を見据える。

 同社は今後、「西東京エリアでグループホームといえばケアサポート・ウィン」と言われるよう、認知度向上と拠点拡大を目指していく。

(2026年3月号掲載)

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