コインパーキング キャッシュレス決済対応99% -名鉄協商

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東海のパーキングの雄、キャッシュレス対応99%

名鉄協商

東海エリアのコインパーキング市場でナンバーワンのシェアを持つ名鉄協商が、関東をはじめとして、関西、九州への展開を進めている。同社の強みは業界に先駆けて推進してきたオンライン対応だ。
名鉄協商(名古屋市)
パーキング事業本部パーキング第1開発部 向井野史裕部長

 名鉄グループの総合商社である名鉄協商は、貸し駐車場事業で業界5位、愛知県、岐阜県、三重県の東海エリアではトップシェアを誇る。中部から関東、関西、そして九州へも営業エリアを拡大。現在、コインパーキングの施設数は3900カ所を超え、約9万2000車室を運営する。オーナー数は個人、法人合わせて約3500件だ。

 同社のコインパーキング事業の強みは、主に三つある。

 一つ目は、99%のキャッシュレス決済対応、二つ目はオンライン化による一元管理、三つ目が、法人利用者向けカードの発行だ。

 まず、一つ目のキャッシュレス決済対応は、業界全体の導入率と比較して、その高さが群を抜いている。一般社団法人日本パーキングビジネス協会の調査によると、業界全体の導入率は2021年時点で53%だった。その後、同協会での調査は実施されていないが、現在、恐らく6割ほどになっているといわれており、同社の99%という数字は際立っている。

▲キャッシュレス決済99%対応の名鉄協商の精算機

 キャッシュレス決済対応を一気に進めるためには、新しい精算機への入れ替えが必要であり、そのコスト負担がネックとなる。そんな中で同社は「業界に先掛けて07年にオンラインシステムを導入し、クレジットカード決済ができるように進めてきました」とパーキング事業本部パーキング第1開発部向井野史裕部長は話す。

 二つ目は、オンラインシステムにより、遠隔で一元管理していることだ。コインパーキングでは「おつりが出てこない」「紙幣が詰まった」「ゲートが開閉しない」などのトラブルが少なくない。その際に即対応できるかどうかが顧客満足度に大きく影響する。同社では、精算機に不具合が発生するとリアルタイムで自社内のコールセンターに通知が入る。ゲートの開閉やロック板の昇降でトラブルが発生した場合もすべて遠隔で操作できるため、即時のトラブル対応が可能だ。

 「オンライン化を業界に先駆けて進めてきたことが、キャッシュレス対応だけでなく、こうした利便性の面でも大きなメリットをもたらしています」(向井野部長)

▲コールセンターの様子

 三つ目は法人、個人それぞれに向けたポイントカードだ。同社では09年から法人向けに「名鉄協商パーキング ビジネスカード(MKPビジネスカード)」を提供している。

 このカードは法人利用者を対象にした後払い方式。日々の駐車料金を毎月一括で支払うことができるほか、利用履歴をインターネットで確認できることから、利用者が属する法人の経理事務処理の効率化や営業管理上のメリットも期待できる。また一定の利用が見込める法人利用を増やすことは、当然稼働率の向上にもつながる。

 なおMKPビジネスカードの発行枚数は約4万2000枚となる。

▲利用促進につながっているポイントカード

 個人向けには11年から「MKPポイントカード」のサービスを提供している。個人利用者を対象にしたポイントカードで、駐車料金100円につき1ポイントがたまり、駐車料金の精算や商品交換に利用できる。チャージ機能もあり、クレジットカードでチャージすることでポイントカードのみでキャッシュレス精算が可能だ。MKPポイントカードの会員は約20万人。

 コインパーキングでポイントカードを発行している会社は少ないという。「MKPカードを展開することで、駐車場の利用促進に大きく貢献しています」と向井野部長は話す。

 東海エリアを主戦場としてきた同社だが、東京五輪・パラリンピックの開催が決定して以降、関東進出に注力してきた。16年には、パーキング・法人営業・カーリースの3事業の営業拠点として、関東支社を新たに開設した。

 以後、自社で営業開拓と同時に、関東エリアでのパーキング事業の加速化を図るために行ったのがM&A(合併買収)だ。17年にバイク王&カンパニーが保有する約180カ所・約2600車室の駐車場事業をM&Aにより譲受。

 さらに、18年にも東京都西東京市のパーキング事業者から同じくM&Aにより約130カ所を譲受。これらの成果によって、関東エリアのパーキングは約460カ所となり、その規模を拡大させた。

 「関東エリア強化策として今後も積極的な開発により、拠点数を増やしたいと考えています。施設数は全国でまず4000カ所を目指します」(向井野部長)

キャッシュレス決済対応 開発ヒストリー

 名鉄協商がすでに大半のパーキングでキャッシュレス対応を実現できているのは、業界に先駆けてオンラインシステムの構築に取り組んだからだ。
 キャッシュレスに対応する前は、駐車場の精算機に現金、または同社が発行するプリペイドカード「Pカード」を挿入することで対応していた。そこからキャッシュレス決済に対応することになったきっかけは、2004年に開催された「ITS世界会議愛知・名古屋2004」だという。同会議の関連デモで同社は松下電器産業(現パナソニック)、住友商事と共同で、名古屋市中心地を通る伏見通り沿いのパーキングにおいて、次世代型ETC車載器とICクレジットカードを使った駐車場料金の自動決済システムの実証実験を行った。この頃から、クレジットカード決済をはじめとするオンライン化に向けた取り組みを本格化させていったという。
 オンラインシステムのプロジェクトを立ち上げ、06年から精算機メーカーの協力で同社独自のシステム構築に乗り出した。07年からは構築したシステムを各パーキングに順次導入しネットワーク化。クレジットカード決済を可能にした。

(2026年3月号掲載)

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