現場主義を徹底し入居率98%実現 -明豊プロパティーズ

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<<不動産市場で光るプレーヤー>>

現場主義を徹底し入居率98%を実現

 明豊プロパティーズは、収益不動産の開発を行う明豊エンタープライズの子会社で、約3448戸(2025年11月末時点)の賃貸管理を受託する。同社の強みは、入居率98%を実現する現場主義だ。24年11月に社長に就任した竹内智大社長は、賃貸業界歴25年、管理会社4社で管理業務に従事してきた。これまでの経験を生かし、オーナーとの関係づくりに注力し、管理戸数の拡大を目指す。

明豊プロパティーズ(東京都目黒区)
竹内智大社長

物件の周辺環境を確認し査定

 明豊プロパティーズは、東証スタンダード市場に上場する明豊エンタープライズが開発したアパート「MIJAS(ミハス)」シリーズや賃貸マンション「ELFARO(エルファーロ)」の管理を行う会社だ。ただ明豊エンタープライズからの受託は管理戸数全体の4割。それ以外の物件の管理受託が多く、6割を占める。

 管理の新規受託営業は、デベロッパーや不動産売買仲介会社との関係を生かしている。受託を獲得するために肝となるのは、家賃査定だという。

 「デベロッパーからすると、家賃の査定が高いところに管理を委託するわけです。ただ、やみくもに高くすることはできません。特に当社では新規の管理受託はサブリースを提案する割合が高いので、現場を徹底的に調べて査定します」

 こう話すのは、明豊プロパティーズの竹内社長だ。

 家賃査定は、査定依頼があるごとに査定会議を実施。4~5人のチームを組み行う。会議の際にほかの管理会社も近年採用している家賃査定システムを活用しつつ、不動産流通機構が運営する不動産情報ネットワークシステムの「REINS(レインズ)」やアットホームが提供する不動産会社向けの業務総合支援サイト「ATBB(アットビービー)」の情報を皆で共有。そのうえで、担当者の経験を踏まえて検討し、決定していく。

 「その際に重視するのは、成約事例の家賃です。過去5年間分の同じ地域、間取り、面積で成約した物件を抽出します。その結果で、新築物件の査定額を決めます」(竹内社長)

 中古物件の場合は、築年数を鑑みて、新築の査定情報から差し引くほか、現地に足を運び、物件の周辺環境も確認するという。具体的には、夜間の道の明るさ、坂の有無、周辺の人気店など、システム上では把握しにくい情報も査定に反映させているのだという。

EL FARO SHIMOKITAZAWA Vの外観

 最終的に人間が家賃を決めるためには、経験値が必要となる。そこで、竹内社長は参加メンバーの顔触れに配慮している。「査定会議には私やベテランの次長のほかに、若手スタッフをあえて参加させています。その理由は、市場を教えるという意味もあります。この街はこういう街だよと。それをすることによって、自分たちが査定する時のアドバイスも同時にできるのです」(竹内社長)

週1回リーシング会議実施

 空室が長期化するケースについても、週1回、リーシング会議を行い、チームで対策を講じる。

 システム上で、空室が長期化している物件を抽出して把握。60日以上空室になっている物件は、その対策会議に上げる。約3500戸のうちの入居率は98%、つまり全体の2%ほどが空室になっているため、会議では60日以上空室の10戸前後の物件について検討する。空室が長引く物件は、周辺の不動産会社を回ったり、ホームステージングを施したりする。

MIJAS四谷三丁目の外観

 その対策会議の際にもう一つ工夫しているのは、担当者によって異なる原状回復期間についての確認だという。要は空室になってから入居可能な状況になるまで短期間で対応できるスタッフと、長期間かかるスタッフがいるので、その点の改善を図っているのだ。「人によっては半月以上かかる人もいる一方で、退去してから1週間から10日で募集可能な状態にできる人もいます。もちろん原状回復の内容にもよりますし、オーナーの気質にもよるのですが。ただそれにしても、明らかにあなた長いよね、という案件を分析して、早く対応できる方法を指導しています。すぐ募集できるようになったら決まるのも早くなります。もちろん決まらない物件の理由として、募集条件や立地などもありますが、担当者の対応によるというのもやっぱりあるのですよね」(竹内社長)

会議の様子

オーナー訪問で関係構築

 管理形態は、サブリースが全体の2割、一般管理が8割を占める。以前はサブリースの割合が3〜4割ほどの時期もあったが、大口のサブリースが離れたことで減少。現在は再びサブリースを強化している。管理エリアは東京23区を中心に、神奈川(横浜・川崎)、千葉(船橋から成田)、埼玉(川口から大宮・浦和)などの1都3県が中心だ。

 竹内社長は就任後、オーナー訪問の強化を図っている。社長就任後に月に1回以上オーナーに会うよう指示を出した。その結果、オーナーとスタッフの距離が近くなり、無駄な解約が減少したという。オーナーは270人ほどおり、オーナー訪問は6人の担当者が行う。場合によっては竹内社長や次長も同行し、関係性構築に注力する。「前期は売却による解約が3〜4棟、戸数にして45〜50戸程度ありましたが、今期は今のところ解約がゼロです。さらに、オーナー訪問を通じて、オーナーが所有する別の物件の管理も受託できたケースもあります。オーナー訪問強化の成果が出ているのだと思います」(竹内社長)

 さらに竹内社長は、DX(デジタルトランスインフォメーション)を活用した属人化しない管理を図っている。例えば、オーナーへの連絡や管理リポートなどはオーナー向けアプリを利用。投資家系オーナーが全体の7割を占める同社との相性がいいという。

 竹内社長は「5年後に1万戸の管理受託を目指す」と話す。その目標を達成するには、従来の新規受託営業だけでは難しいため、既存オーナーや新規オーナーのほかに所有する物件の管理獲得を狙っていく。そのためにオーナーとの関係性構築が重要なのだという。今後はオーナー向け賃貸セミナーを四半期に1回ほど企画し、成功事例や市場動向などを発信していく予定だ。
(2026年3月号掲載)

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