1フロアに1戸、150㎡超の回遊型間取り

東京23区を中心に150棟を超える「新築1棟投資用賃貸住宅」の供給を行う明豊エンタープライズ(東京都目黒区)。そのグループ会社で賃貸管理事業を担う明豊プロパティーズ(同)が、同じグループで総合建設事業を手がける協栄組(東京都世田谷区)と連携しフルリノベーションした高級賃貸住宅がある。東京都港区の「西麻布ヒルズ」だ。

明豊エンタープライズ(東京都目黒区)
管理部 白井優輝氏(25)

 東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩9分の場所に立つ築34年の同ビルは、1階と地階が店舗、2~3階は旧オーナーの住まいだった。今回、その住居部分のみをリノベ。1フロアに1戸、150㎡超の広さの低層高級賃貸住宅2戸が誕生した。

 「最大の特徴は、玄関を開けると広がる開放的な空間です」と話すのは、明豊エンタープライズ管理部の白井優輝氏。約40畳のリビングダイニングの床は、土足にも対応できる大理石調のタイルを使用した。これは、外国人の入居やオフィス利用も考えてのことだという。

▲開放感のあるリビングダイニング

 さらに、リビングダイニングから寝室、洗濯室を通って次の寝室、その先のクローゼットを抜けると元の場所に戻るという回遊型の造りも特徴の一つ。また、トイレを二つと寝室前にホールを設けることで、パブリックとプライベートの空間を分けやすくした。入居を決めた30代のファミリーも「立地の良さや広いリビングが気に入りました」と話したという。

After▲約40畳のリビングは土足での生活も可能

         Before▲リノベ前はカーペット敷きだった

 SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、既存の柱や梁を生かした設計のほか、サッシなども再利用。一方で、大理石調のタイルや照明レール、屋上の防水工事などに費用がかかり、総事業費は1億1000万円となった。家賃は当物件の希少性を鑑み、周辺相場の同等物件を大幅に上回る120万円と135万円。表面利回りは5・4%を実現する。

▲301号室の間取り図

(2024年9月号掲載)

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