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<Regeneration>
沖縄・石垣島の元郵便局をリノベ
趣残しサウナ付きホテルに
SMI:RE STAY ISHIGAKI Old Post Office
沖縄県石垣市にあるプライベートヴィラ「SMI:RE STAY ISHIGAKI Old Post Office(スマイルステイイシガキオールドポストオフィス)」。2025年に開業した同ホテルは、フェリーターミナルに程近く、ほかの離島への訪問にも便利なことから、国内外の旅行客を中心に高稼働を維持している。

昔からある「風景」を大きく壊さないことを念頭に置き、外観は大きく手を入れなかった
BE-FUN DESIGN.(東京都渋谷区)
進藤強社長

同ホテルは郵便局として利用されていた築47年の建物だ。22年、一級建築士事務所BE-FUN DESIGN.(ビーフン・デザイン)の進藤強社長が購入。同社の設計・デザインによりフルリノベーションするに至った。
取得当初、物件の内装と外観は郵便局時代そのままの姿だった。少なくとも5年は空き家だったことから、雨漏りを起こしていた。そこでまず施したのは屋上の防水や庇ひさしなど経年劣化が目立った躯体の刷新だ。一方で、外壁は色の塗り替え程度で大きな変更はしていない。
「全部やり替えてしまうのは、あまり面白いと思わない」と話す進藤社長は、内観も郵便局時代の雰囲気を残すことに注力した。まず目を引いたのがしつらえられたままだった接客用のカウンターだ。そこで大きさをそのままに、鉄板とコンクリートで補強。広々としたキッチン・ダイニングテーブルにリニューアルした。ホットプレートも完備し、少人数でのパーティーやちょっとしたバーベキューなども楽しむことができる。
- Before カウンター部分は一部を残し、補強することにした
- After 接客カウンターがキッチンカウンターというホテルの「顔」になった
ATMが設置されていた場所にはミニプールを整備。ATMの看板をそのままにするなどの遊び心も取り入れている。
金庫、備品庫は半個室と個室の寝室に、和室の休憩スペースは畳敷きの寝室にした。旧事務所スペースにもベッドを設け、最大12人が宿泊可能だ。
一方で、建具や壁は塗り替えただけでそのまま残したことにより、全体的にどこか懐かしさを感じられる。
- Before 郵便局の入口にあったATM
- After あえて看板を残すことで面白さが生まれる
これまで設計した多くの物件にサウナを入れてきた進藤社長は、この物件にもサウナを設置。細長い倉庫スペースをミスト外気浴スペースにリニューアルし、物置を木のぬくもりが感じられるサウナに改築した。
物件の再生にあたり、進藤社長は経済産業省が進めている「事業再構築補助金」を申請。島の新しい観光資源をつくるというプレゼンテーションが通り、施工費用の3分の2を賄うことができた。
個人として不動産投資を行っている進藤社長は、現在19棟の物件を所有するオーナーでもある。「50歳を過ぎてからは、もうけよりも自分たち家族が楽しめるような場所をつくることが大きな目的になりました」(進藤社長)。不動産を再生しホテル化する事業にはこうした「自分が楽しいと思う」目線が必要なのだろう。
- 元倉庫とわからないサウナ室
- 金庫室は個室の寝室に作り替えた
(2026年 4月号掲載)








