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元オーナー住戸を家賃100万円超の高級賃貸に
リノベーション事業者のリノベる(東京都港区)は、築30年の小規模事務所ビルの中の専有面積約170㎡ある元オーナー住戸を家賃100万円超の高額賃貸物件へとリノベした。
同物件は東京都港区の幹線道路沿いに立つSRC造8階建てで、 住戸部分は事務所ビル7~8階建てとなる。同社は一般的な賃貸住宅マーケットとは大きく異なる特殊条件を強みとして捉え、隠れ家的ロフト空間があるリノベプランを企画した。プライベートスパや事務所、スタジオ、アトリエなど自由な発想で使うことができる空間へと変貌させ、住まい、仕事場、人が集う場所として再構成したという。
▲感度の高い入居者を対象にした内装。石材張りの壁がアクセント。
高い天井や大型ルーフテラス、 二つのフロアに設けられた玄関など通常のマンションにはない魅力を生かして、周辺相場を上回る賃料を実現した。「小規模事務所ビルの稼働率低下という課題に対して、 新しい都心居住のスタイルを提案。リノベの可能性を示したものとなっています」とリノベを担当した同社の不動産本部不動産部田村実氏は話す。
7階は人が集まるパブリックスペース、8階はプライベートスペースと空間を分けた。
▲バルコニーにウッドデッキを敷きアウトドアリビングに
7階には二つのリビングがある。30畳の屋内リビングと、外部キッチンを設けた33畳のウッドデッキ敷きのアウトドアリビングだ。リビング奥には、インナーテラスを介して外部とつながるジャグジーを設置した。8階にはオフィス、ギャラリー、 アトリエ、スタジオなど多目的に使えるスペースとセカンドリビングを設けた。職住、その他が混在する多様なライフスタイルに対応できるようにした。
その結果、募集1カ月で40代会社経営者夫婦が申し込み、契約。多目的スペースは事務所として使うことを想定して契約したという。
都心部に多く見られる、一定の築年数が経過した小規模事務所ビルにある元オーナー住戸の活用方法は難しい。リノベ前はオフィスとして貸していたが、借り手がつきにくいため家賃もリノベ前よりも低い設定となっていた。
今回のプロジェクトでは5年未満でリノベ費用を回収できるという。収益化に成功したリノベ事例といえるだろう。
(2024年1月号掲載)
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