【特集】事前の対策で差がつく 高齢者の受け入れ方⑤

賃貸経営属性別入居者事情##IoT#高齢者#サービス#管理会社

Secual/NiSUMU CARE(ニスムケア)

設置から確認まで家主と管理会社の負担軽減

Secual(東京都渋谷区)
菊池正和社長(48)

 センサーを活用した高齢者の見守りサービスを提供するのは、デジタル技術によるセキュリティーサービス事業を手がけるSecual(セキュアル:東京都渋谷区)だ。

 同社の「NiSUMU CARE(ニスムケア)」は、センサーで活動量や温度、湿度、照度を計測して異常の有無を判定する。センサーの設置と設定は、パソコン総合サービス事業を展開する日本PCサービス(大阪府吹田市)と提携し、日本全国で対応している。

 計測値に異常が確認されると、コールセンターが見守り対象者に電話で安否の確認をする。緊急連絡先への連絡もコールセンターが行うので管理会社や家族の負担が少ない。さらに、管理会社は専用の管理画面で入居者の見守り状況を確認できるほか、これらの業務をSecualに委託し、必要に応じて報告のみ受け取ることも可能だ。

 1室から契約が可能で、個人利用の場合の初期費用は1万3200円から、月額費用は2970円(いずれも税込み)となる。さらに、オプションとして警備会社による駆け付けサービスや、残置物処理サービスも提供する。菊池正和社長は「今後、販売チャネルを増やし、安心・安全な社会の実現に貢献したい」と話す。

▲専⽤のセンサーは壁の⾼さ2mほどの場所に設置

象印マホービン/みまもりほっとライン 

コンセントに差し込むだけで安否確認

 炊飯ジャーをはじめとした家庭用品・日用品メーカーの象印マホービン(大阪市)は、01年からポットを活用した高齢者の見守りサービス「みまもりほっとライン」を提供している。累計の利用者は1万4000人以上に及ぶ。

 同サービスは、専用の電気ポット「i-POT(アイポット:以下、ポット)」の使用履歴を基に入居者の安否や健康状態を確認するという仕組み。通信機能を持つポットが、操作時間や履歴を自動でクラウドに記録し、直近の利用履歴5件を指定した通知先へ1日最大3回、設定した時間にメールで送信する。通知先は入居者の親族やケアマネジャー、管理人ら、任意で3人まで指定することが可能だ。

 管理人は確認用ウェブシステム「契約者サイト」で、複数のポットの利用履歴を一括で確認することができる。利用頻度や時間、空だきの回数などがわかるため、高齢者の安否だけでなく認知機能の状態の把握につながることもメリットだといえる。

 ポットに通信機能が付いているので、インターネット回線の準備は不要。電源コードをコンセントに差すだけで使用でき、導入費用は5500円、月額料金は3300円(いずれも税込み)となっている。複数台の使用記録を一括で確認できる同社のサービスは、賃貸オーナーをはじめ不動産会社や管理組合でも導入しやすい。

▲⽣活⾵景に溶け込むi-POTなら⾃然な⾒守りが可能

(2024年9月号掲載)
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