低層賃貸住宅向けエレベーターを提供

賃貸経営住宅設備・建材

注目企業 PICK UP!

3~4階建て賃貸住宅向けエレベーターを提供

パナソニックエレベーター

パナソニック(東京都港区)のグループ会社であるパナソニックエレベーター(大阪府門真市)が2024年10月より販売している「リベルタージュUi」が人気を博している。発売から半年で200件を超える反響を獲得しており、「低層の3~4階建てアパートでもエレベーター付き」という流れができつつある。

パナソニックエレベーター(大阪府門真市)
神木啓太郎取締役

コンパクト設計 木造にも設置可能

 リベルタージュUiは、3人まで積載可能な小規模共同住宅向けのエレベーターだ。5階以上の共同住宅に設置されることが多い業務用エレベーターに比べて、コンパクトな設計である点が特徴。また業務用エレベーターのように鉄塔を設置する必要がない。このため、木造の共同住宅にも導入することができる。
 かごの床面積は約1・1㎡で、昇降路の内寸は鉄骨造の場合、奥行きが1325㎜、間口は1300㎜。かごの床面積が1・2㎡の類似サイズの業務用エレベーターの場合、昇降路の内寸は奥行き1700㎜、間口は1550㎜必要だ。
 またかごの高さについても業務用エレベーターの場合、オーバーヘッドといわれる最上階の床から天井までの高さが3000㎜必要だが、リベルタージュUiは2400㎜で設置することができる。
 リベルタージュUiの発売の背景には、賃貸住宅入居者における高齢者やファミリー世帯の増加があるという。同社の神木啓太郎取締役は「エレベーターは現状でも入居者に喜ばれる住宅設備だが、今後賃貸住宅に若年のファミリー層や高齢者の入居が増えると、必須の設備となっていく」と話す。
 メインターゲットとなる住宅は3〜4階建ての15戸前後のアパートだ。これまで同社の製品は木目調のデザインを特徴としてきたが、リベルタージュUiでは共同住宅にも合うよう「ホワイト」「グレー」「ブラック」のカラーラインアップを追加した。

▲共同住宅に合う色合いをそろえる

納期は最短1カ月 奥行きが長いタイプも発売

 24年10月の発売以来、25年3月末までにゼネコンや工務店などから200件を超える反響があったという。神木取締役は「オーナーからも賃貸住宅の付加価値を高めて差別化を図ったり、入居率を上げたりするために、新築時にエレベーターを設置したいという声が増えている」と話す。最短で1カ月と、業務用エレベーターに比べて納期が短い点も好評を得ている理由だ。
 4月には、大きな荷物の出し入れがしやすい「リベルタージュロングUi」の受注を開始した。リベルタージュUiの機能はそのままに、奥行きを1・2倍に延長した。ベビーカーを押してエレベーターにそのまま入りたいという顧客の声から生まれた商品だ。
 「賃貸住宅におけるエレベーター設置のニーズは増加している。需要にしっかり対応し、26年までに低層の賃貸住宅におけるエレベーターの市場シェア7割を目指す」(神木取締役)

(2025年7月号掲載)

この記事の続きを閲覧するには
会員登録が必要です

無料会員登録をする

ログインはこちらから

一覧に戻る

購読料金プランについて

アクセスランキング

≫ 一覧はこちら