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賃貸経営トレンド

Vol.3 学生マンションにマンガコーナー 平均貸出冊数は月1500冊

 学生マンションの管理を行う九大前不動産(福岡市)は、約400人の九州大学生が住む賃貸マンション「セトル伊都」にマンガコーナーを設置。毎年のように新築物件が建つエリアで、学生が楽しめる設備により差別化を目指す。

九大前不動産(福岡市)
中下大輔社長

新築競合物件の供給続く 共用部利用で差別化図る

▲利用者が置いてほしいマンガ本をリクエストすることも可能だ

 セトル伊都は九州大学伊都キャンパスの南ゲートから徒歩3分の場所に立つ、RC造7階建て・410戸の大型学生マンションだ。入居者のほぼ全員が九大生。県外出身の入居者も多く、管理人常駐・食事付きの物件だ。

 九州大学には1万人以上の学生が在籍しているため需要は安定している。一方で周辺には競合物件が多い。新築も増えており、2025年春には新たに約400戸ほどが供給される見込みだという。中下大輔社長は「管理人・食事付きという特長に加え、合格発表前の無料事前予約といったサービスや、新しい設備などで学生へのアピールを行っている」と話す。

 そんな同物件に24年1月から導入されたのが、ハイドコーポレーション(愛知県清須市)が提供するマンガコーナーだ。共用の会議室としていた約50㎡の部屋に、最新の人気作から定番作品まで5300冊ものマンガが並ぶ。入居者は無料でこれらのマンガを借りて読むことができる。

貸し出し実績好調25年度募集にも活用

 導入にあたっては、ハイドコーポレーションが現地調査を行い、利用企業と相談のうえ導入冊数を決定、入居者属性に合わせてマンガ本を選書する。

 マンガ本のレンタル費用は月1冊11円(税込み)。新刊は随時送本し、3カ月に1回はラインアップの一部を入れ替えるため、利用者は飽きずにマンガコーナーを使い続けることができる。

▲男子学生の入居が多いため、少年マンガを多めに設置

 入居者からの評判は非常にいい。月間貸出冊数は平均1500冊、多い月には2000冊に上る。中下社長の元にはマンガコーナーの設置を喜ぶ学生の声も届いているという。

 「25年春の入居者募集パンフレットには、マンガコーナーを掲載した。学生の目を引く要素となることを期待している」(中下社長)

お問い合わせ先
株式会社ハイドコーポレーション
電 話:052-508-7719
ウェブ:https://www.comic-reuse.com/

(2024年10月号掲載)
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