データで見えた:設備管理に関する実態調査

賃貸経営統計データ

賃貸マンションオーナーの設備管理に関する実態調査

 賃貸物件の管理・仲介などを行うアセットテクノロジー(大阪市)は、賃貸マンションのオーナー歴5年以上の人を対象に、「賃貸マンションオーナーの設備管理に関する実態調査」を実施。5月17~23日の期間に504人から有効回答を得た。

Q. 物件の室内設備が故障した経験があるか?

A. 「何度もある」が37.5%

 物件の設備管理は、賃貸マンションのオーナーにとって切り離せない課題だ。
貸し出している物件の室内設備が故障したことがあると答えた賃貸オーナーは、83.7%。その割合は、「何度もある」が37.5%、「数回程度ある」が38.9%、「1度だけある」が7.3%という結果になった。ほとんどの賃貸マンションのオーナーが室内設備の故障を経験している。故障した室内設備を聞いたところ、「エアコン」が70.6%で最多だった。以下、66.8%の「給湯器」、32.7%の「換気扇」、32.0%の「インターホン」と続いた。
 また、ディスポーザーや水栓などの水回り設備、窓や壁の損傷など のほか、エレベーターや排水施設の故障・ドアといった共用部分を挙げる声もあった。設備の修理対応に伴う管理業務や費用は、オーナーにとって多大なストレスと負担がかかる。

Q. 室内設備が故障した際に、どの程度負担を感じるか?

A. 3割が「とても負担を感じた」と回答

 室内設備が故障した際の対応や業務にどの程度負担を感じたか聞くと、「とても負担を感じた」が30.9%、「やや負担を感じた」が48.8%と、合わせて約8割が負担を感じたと回答した。
 その理由として、最も多かったのが「突然の出費が増え、予算管理に頭を悩ませた」(58.6%)だった。次いで「修理コストが予想以上に高額だったから」(40.5%)の回答が続き、費用で負担を感じる声が多かった。
 「信頼できる修理事業者を見つけるのが大変だったから」「故障が頻繁に発生し、繰り返し対応が必要だったから」「修理に伴う手続きや調整に時間がかかったから」といった理由が挙がっているところを見ると、管理業務の負担も少なくないようだ。

Q. 故障やその対応が原因で心理的ストレスを感じた理由は?

A.「入居者の不便さや不満を感じ取ったから」がトップ

 7割を超える人が室内設備の故障やその対応に心理的ストレスを感じたと答えている。具体的な理由を聞くと「入居者の不便さや不満を感じ取ったから」の回答が43.8%で最も多く、次いで「繰り返し故障が発生するのではないかと心配になったから」が42.2%と僅差で続いた。
 「故障が頻発し、その都度の対応に疲れたから」の回答が35.7%に上っているのは、同時期に整えた設備であるため、故障するタイミングが重なるのだろう。物件の評価が下がることに対する懸念や、修理が適切に行われなかったときのリスクなど、故障に伴う心理的ストレスは多岐にわたる。修理対応に伴う費用負担、入居者の不満への対応が大きな課題となっている。

(2024年11月号掲載)

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