広島|広電宮島線の混雑率2位に見る住宅事情
国土交通省は8月に23年度実績の「都市鉄道の混雑率調査結果」を発表。全国の都市部の鉄道の混雑率で、広島電鉄(以下、広電)宮島線が混雑率164%で全国2位という不名誉な結果となりました。
豊田裕之オーナー


広電宮島線は広電宮島口駅から広島駅まで広島市の中心部に直通で乗り入れる人気路線です。調査では混雑率を午前7時台の広島駅方面への乗客数から割り出しています。乗車定員が少なく増便していますが、混雑する要因は広電側では断定できていないそうです。
不動産に関わるものとしては、同沿線の戸建て住宅や分譲マンション、賃貸マンションの新築増加が大きいのではないかと考えます。沿線の地域は同市の「山の手」地域として人気があり、そこに多くの住宅の供給があったのが要因ではないでしょうか。
利用者からの混雑緩和対策を求める声は大きくなっていますが、総定員数は限界に近く抜本的な改善は難しそうです。並行して走るJR山陽線への誘導を図ったり、時差出勤をお願いしたりするほか妙案は思い付きません。
地域の最重要インフラである鉄道がパンクしてしまう事態が起こると、沿線の賃貸経営にも計り知れない悪影響が出そうです。行政も含めた今後の対策に注目していきたいところです。
(2024年11月号掲載)






