街の風景 写真は語る:シェアハウスで障がい者がアート制作

賃貸経営入居者との関係づくり#障がい者#シェアハウス#アート#共用部

シェアハウスで障がい者がアート制作
共用部を彩る壁画アーティストの作品

物件の共用スペースに障がい者がアート制作を行う「インクルーシブ・クリーンアートPROJECT(プロジェクト)」を、不動産管理を手がける三好不動産(福岡市)は開始した。
 第1弾として、同社が運営するシェアハウスブランド「TOKYO〈β〉(トウキョウベータ)」の東京都豊島区にある1棟を使用して、2023年12月末に完成した。トイレやキッチンなど共用スペースを中心に、アートで埋め尽くし、入居者の住環境の向上と、物件に全く新しい価値を生み出すことが目的だ。
 就労困難者(障がい者)を企業の戦力とするプラットフォーム「NEXT HERO(ネクストヒーロー)」を採用するVALTJAPAN(ヴァルトジャパン:東京都千代田区)は、TOKYO〈β〉約170棟において、就業困難者による定期清掃作業を行っていた。
 同社はこれまでの清掃業務の経験から、アートに囲まれて生活することで入居者が、きれいに使いたくなるといったナッジ理論の考え方を推進している。そのため、三好不動産の取り組みに賛同し今回プロジェクト参加の動きとなった。
 壁画の制作は障害福祉事業所であるNPO法人麦わら屋(群馬県前橋市)に所属する壁画アーティストの長谷川諒氏が担当した。
 三好不動産東京支店の森岡誠支店長は「現地を確認すると、従来よりきれいに物件を使ってもらっていると感じる」と話した。
 三好不動産とVALT JAPANの両社は、今後もTOKYO〈β〉のシェアハウスを中心に同プロジェクトを推進していく予定だ。

トイレの壁一面に施された壁画アーティスト長谷川氏の作品

(2024年4月号掲載)

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