Vol.2 多彩な表情を持つ色 青には体を緩める効果あり
世界で最も人気がある青
今回から一つの色に焦点を当てていきたいと思います。
最初に取り上げる色は青です。青い色、好きですか? そう問われると「好き」と答える人が多いと思います。日本で一番人気のある色は、そう、青なのです。そして不思議なことに、この色は日本だけでなく、世界で最も人気がある色でもあります。
どうして人は青を好むのか?本当の答えは永遠の謎なのかもしれませんが、やはり晴れた空の色とそれを映す水の色が関係しているのではないかと私は考えます。人が生きていくときに、この二つは生命を維持するうえで欠かせないものだからです。
さて、皆さんは青という色にどんな印象を抱くでしょうか?爽やか、静か、信頼、誠実、落ち着き、自由といったプラス面や、冷たい、孤独、憂ゆう鬱うつというマイナス面を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。
思い浮かべるブルーもさまざまだと思います。はっきりとして堂々とした、王侯貴族に愛されてきたロイヤルブルー。そこに黒を足していって落ち着きを増した藍や紺。逆に白を足していけば水色になるなど、多くの青がありますね。日本の藍染めの種類だけでも、浅あさ葱ぎ色や褐かち色など、何と48色もあるといわれています。海外の青を追加したら、それこそ無限に色のバリエーションがありそうです。
筋肉を反応させる色
ところで私たちの体は、当てられた光の色によって筋肉が緊張したり弛し緩かんしたりと、反応するようにできています。これは「トーナス変化」という筋肉の反応なのですが、何にも影響されていないときの数値を23とすると、赤は42、青が24です。数値が高いほうが緊張を示していますので、赤は筋肉を緊張させ、青は弛し緩かんしている状態だということがわかります。つまりその色が好きか嫌いかにかかわらず、体が反応してしまうのです。
体が緩むと、心も緩みます。青はリラックスする色だと考えると、いろいろな場面で利用できそうですよね。
それでは、不動産の場合も「どの青をどんなふうに使ってもいいか」というと、残念ながらそういうわけではありません。あなたの物件をどのような人に、どういう目的で利用してもらいたいのか、また使う場所によってもそれぞれ異なった青の色みを選ぶ必要があります。
次回は、実際の物件の例も交えながら、青の話を続けたいと思います。お楽しみに。
眞井彩子(さないさいこ)
【プロフィール】 色と旅をこよなく愛するカラーコンサルタント。自らも賃貸物件の運営を行い、色の力で満室を継続中。不動産のカラーコーディネートのほか、パーソナルカラー診断やカラーセラピー、色がテーマのまち歩きなど、色彩を通じて空間や人生に彩りを添える専門家として多方面で活躍中。著書「365日の色 彩暦」シリーズで、多くの読者から支持を得ている。
(2025年 2月号掲載)
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