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賃貸経営ストーリー

離婚見据えて不動産投資開始 地元・千葉で戸建て賃貸経営

 玉井美広オーナー(千葉市)は、戸建て賃貸を中心にさまざまな形態の賃貸経営にチャレンジしている。千葉県内に所有する6戸の戸建て物件をはじめ、転貸の形で、JR千葉駅近くの貸会議室と、同県九十九里町の海沿いにある民泊も経営している。また横浜市内にも5戸のアパートを所有する。

玉井美広オーナー(50)(千葉市)

 玉井オーナーは、24歳で結婚。以降、ビーズアクセサリー講師として夫の扶養の範囲内での収入を得ていた。ところが、夫は一回り年上だったため、玉井オーナーが40代になると早くも定年退職が見えてきた。自身の将来について考え始めたのはこの頃だ。
 そんな中、実家の母が持て余していたアパートを玉井オーナーに生前贈与する話が持ち上がる。離婚を視野に入れ「経済的に自立したい」という思いがあった玉井オーナーは経営を引き継ぐ決断をした。

 この物件が、玉井オーナーの不動産経営における出発点となる、築30年の軽量鉄骨造2階建て・5戸のアパートだ。
 賃貸経営の世界へと足を踏み入れて間もなく法人化。手持ちの現金で購入できる物件を探し、区分マンション1戸を購入。貸し会議室事業も始めた。

 リスクを極力回避して着実に所有物件を増やし、安定した収益を得たことで経済的に自立した玉井オーナーは、2022年に離婚に踏み切った。

 所有物件に戸建てが増えたのは事業用融資を受けられない事情があったからだ。しかし今では「私には戸建てが向いてます。横浜のアパートでは空室に悩まされた経験があり、入居者の入れ替わりが少ない戸建ての良さを実感しました。リフォームする際に、クロスを選んだり間取りを変えたりと本当に楽しいです」と戸建て経営の魅力を語る。

女性視点の直感を生かす 仕入れ時のこだわりは明るさ 

▲︎木部塗装や部材選びを手がけた部屋

 玉井オーナーは、横浜のアパート以外は千葉県内で物件を購入してきた。土地勘があるためエリア選定や家賃設定がしやすいことが理由だ。購入とリフォームにかかる費用と賃料以外にも、仲介手数料や登記費用まで計算し、実質利回り15%を基準に仕入れを行う。さらに、目星をつけた物件には、必ず訪問すると決めているという。

 物件を見る際のポイントとして「立地や築年数の条件が良くても、日当たりが悪くなんだか暗いなと思う家は避けている」と語る。

 実際、利回りもエリアも条件をクリアしている物件の購入を見送ったことがあった。窓枠にカビが生えているのを見て「季節によっては日当たりが悪くなる」と気付いたためだ。そうした日常的な感覚を大切にできる点で、女性は不動産オーナーに向いているというのが玉井オーナーの所感だ。

 玉井オーナーの次なるチャレンジターゲットは古民家の購入だという。賃貸物件として貸し出す前提で探しているが、根本的な動機は古民家への憧れだ。

 「古民家特有の建具が好きなのです。いつか自分のものとして所有したい気持ちがある」(玉井オーナー)

(2025年 3月号掲載)

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