【特集】オーナー・事業者に聞く 利益を生み出し続ける⺠泊経営のこつ⑦

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パートナーとなる 民泊事業者

インバウンド集客に強み 羅針盤

個人オーナーからの受託7割 清掃で差別化

 外国人向け観光サービスの提供を行う羅針盤(東京都中央区)は、民泊・ホテルの運営代行サービス「COMPASS STAY(コンパスステイ)」を展開している。民泊や無人ホテルの開業支援や開業後の運営代行を行うサービス。許認可取得や事業計画の策定など、民泊・無人ホテルの開業に関してサポートを行う。開業後は旅行予約サイトへの物件情報の掲載や宿泊料金の調整のほか、宿泊者の管理や清掃など、宿泊施設の運営業務をワンストップで行う。

 2025年1月末時点で約450室の運営を受託。そのうち6割が民泊、4割が無人ホテルだ。受託物件のうち、個人オーナーからの受託が7割を占める。運営受託料は売り上げの15%。ニーズに応じてサブリース契約も可能だ。

 受託する物件の約8割はファミリータイプの部屋だという。競合するビジネスホテルと差別化し、稼働率を上げるため、オーナーには1LDK以上の物件での民泊運営を推奨。その結果、客室平均単価は約3万5000円、平均稼働率は85~90%を維持している。

 24年7月より、外注していた清掃業務を順次内製化。顧客満足度において清掃の質が重要と考え、担当する人によって差の出やすい清掃を自社社員で行うように変更した。社内でマニュアルを作成して基準を統一化し、清掃の質を維持する。

外国人宿泊者が9割 各国の特性生かす

 同社は、民泊の運営代行事業のほか、着物レンタル事業やトラベル事業、地域創生事業を展開している。外国人向けにさまざまな事業を展開してきたノウハウを生かし、民泊の運営代行事業では利用者の国の特性に合わせた集客戦略を行う。同社の澤畑勝章取締役は「アジアからの来訪者と欧米からの来訪者では、日本に求めるものや訪日が多い時期などが全く違う。各国の年間のイベントカレンダーからどの時期に誰をターゲットにするか見極め、集客戦略を立てている」と話す。

▲運営を受託する物件の一室

 物件を複数のOTAに掲載するのはもちろんのこと、OTAサイト内での表示順位が上がるよう、検索されやすいキーワードを含めたり、掲載写真を工夫をしたりしている。実際に宿泊する人の9割は外国人だという。

 COMPASS STAYは1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)を中心に、札幌市や大阪府など全国で展開している。今後は東京都を中心に受託棟数の拡大を目指す。「東京都は世界的に見てトップ10に入る人気都市。まずは東京都で受託棟数を増やしていきたい。一方で、初来日ではない外国人が増え、地方主要都市でのインバウンド需要が伸びるであろう数年後を見据え、今から地方都市での受託にも注力する」(澤畑取締役)

●運営室数:450室
●物件エリア:全国主要都市
●料金:売り上げの15%
●特徴:インバウンド集客に強み。清掃を内製化

(2025年 4月号掲載)
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