【特集】オーナー・事業者に聞く 利益を生み出し続ける⺠泊経営のこつ⑧

賃貸経営不動産投資

パートナーとなる 民泊事業者

空き家・古家を民泊物件に再生・販売 リアルエステート

大阪市中心に60棟展開 大人数での宿泊に特化

 大阪で投資用の中古不動産の再生、管理業を行うリアルエステート(大阪市)は、大阪市を中心に民泊物件の開発に取り組んでいる。民泊物件のブランド名は「RiHAKU(リハク)」。戸建ての空き家や古家を民泊物件に再生させ、投資家に販売する。

 民泊事業は2017年からスタートし、25年1月27日時点では大阪市、京都市、東京23区で60棟ほどを販売・管理。インバウンド(訪日外国人)と日本人旅行者のどちらも宿泊者ターゲットとする。物件の管理も、民泊運営代行会社と連携し対応する。外部・内部のリノベーションを行い、手ごろな価格で販売することが基本方針だ。

▲つぼ湯を設置した民泊物件

 RiHAKUの特徴は、大人数が宿泊できるような物件を手がけている点だ。物件の間取りを、16人以上が利用できる6LDKを基本とする。藤澤行規INN(イン)マネージャーは「主な商圏となる大阪市では1人あたりの宿泊単価が4000~5000円になることが多い。宿泊可能人数の上限を増やし、宿泊費用を相場より高く設定することで単価を6000~1万円ほどに上げることができる」と話す。

 最近ではインバウンドや日本人観光客でも複数の家族で旅行するケースが増えてきた。大人数で宿泊が可能な一棟ものの民泊物件の人気が出ているため、RiHAKUの需要も高まった。現在、同ブランドの民泊物件の平均稼働率は80%で、リピーターも増えているという。

実質利回りは8~10% 販売価格は4000万〜1億円

 物件のコンセプトは、約10人いる民泊事業のスタッフがそれぞれ担当となり決めていく。物件の外観・内装・家具や小物・設備の選定を1人の担当者が行っている。「民泊物件の名前を担当スタッフの名前から引用するほど、スタッフ自らが泊まりたいと思えるような部屋づくりを徹底している。最終的には『RiHAKUの物件に泊まりに行くこと』を目的に、旅行者が訪れるようにしたい」(藤澤INNマネージャー) 

 それに加え、「民泊における集客では『映え』が重要だ」と藤澤INNマネージャーは話す。RiHAKUには、各物件によって写真映えがするようなサウナや、つぼの形をした浴槽「つぼ湯」などを設置。インバウンド向けには純和風を意識した部屋づくりをする。

 鍵は物理鍵を使用し、キーボックスで管理する。「宿泊者がスマートキーの使い方がわからず、当社に問い合わせをするケースもある。そのため、鍵の管理はアナログ方式を採用した」(藤澤INNマネージャー)
物件の販売金額は4000万円から1億円ほどで、実質利回りは約8~10%。アジア圏の投資家や日本の中小企業がストックビジネスを増やすことを目的に購入するケースが多い。

 今後は福岡市や仙台市、名古屋市など、リアルエステートが支店を設けているエリアでの民泊物件の開発を行う。また、民泊物件の運用に関するコンサルティングも対応していく。

●運営室数:60室
●物件エリア:大阪市、京都市、東京23区
●料金:宿泊料からOTA利用手数料を引いた金額の15%
●特徴:空き家・古家を一棟まるごと再販

(2025年 4月号掲載)
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