不動産投資における情報収集の状況をデータで読み解く

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不動産投資における情報収集に関する実態調査

投資用不動産の売買や資産運用のアドバイスを手がけるエターナル(大阪市)は2月13日、「不動産投資における情報収集に関する実態調査」を実施。投資物件を所有しており、情報収集を頻繁に行っている不動産投資経験者111人から得られた有効回答により、不動産投資における情報収集の傾向が見えてきた。

Q.不動産投資に関する情報をどのように収集しているか

A.「ブログ・まとめサイト」が僅差で1位

 最も利用されている情報源は「不動産投資に関するブログ・まとめサイト」(45.9%)であり、次いで「不動産投資のセミナー・勉強会」(45.0%)が僅差で続いている。このことから、投資家はネットを用いた情報収集と、対面での学習機会の双方をバランスよく取り入れていることが読み取れる。

 また、ウェブメディアやSNS上での情報収集が高い割合を占めていることも明らかとなった。特に「ブログ・まとめサイト」「ユーチューブ」(41.4%)、『「インスタグラム」や「X(旧ツイッター)」などのSNS』(40.5%)など、ネット上の情報源が広く利用されている。

 ウェブメディアやSNSを「非常に信頼できる」または「ある程度信頼できる」と回答した人は全体の78.4%に上り、一定の信頼性が認められている。一方「あまり信頼できない」または「全く信頼できない」とする回答も18.9%あり、情報の取捨選択には慎重さが求められる。

 投資家は利便性とスピードを重視しつつも、多角的な情報源の活用を意識していることがうかがえる。

Q.情報収集において、参考にしている情報とは

A.「不動産市場の動向・分析」が56.9%でトップに

 不動産投資家が情報収集で最も参考にしているのは「不動産市場の動向・分析」(56.9%)で、次いで「収支計算・投資利回りの考え方」(49.5%)「物件の選び方」(46.8%)と続く。これらの結果から、投資家は市場の変化を捉えつつ、収益性や物件の見極めといった判断力を高めるための情報に重点を置いていることがわかる。

 また自由回答で「ネットの口コミ」「住民の感想」「親しい不動産事業者の情報」「日経新聞」などが挙がり、定量データや専門知識に加え、現場の声や口コミといった「生きた情報」も重視されている。物件の魅力や地域性を見極めるため、多様な情報を組み合わせて意思決定を行っているようだ。

Q.「ウェブメディア・SNS」からの情報はどう影響するか

A.「投資エリアの選定」や「収支計算方法」などに影響

 「ウェブメディア・SNS」からの情報が投資に影響を与えていると答えた90名にどう影響したかを聞いたところ、「投資エリアの選定に活用できた」(58.9%)「収支計算の方法を学べた」(42.2%)「投資物件の選定基準の参考になった」(40.0%)」といった回答が多く、実践的な判断に直結し、投資判断に対する影響の大きさがうかがえる。

 さらに、「リスク管理の意識が高まった」「新たな投資手法を知ることができた」「市場動向の把握に役立った」という回答もあり、ウェブ上の情報は、投資戦略の深化に影響を与えているようだ。
情報があふれる時代だからこそ、不動産投資においては「どの情報を、どのように活用するか」が一層重要になっているといえる。

(2025年 7月号掲載)

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