ファミリー向け区分で資産拡大

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ファミリー向け区分で資産拡大
実需向けと投資向けの相場差に着目

 束田光陽オーナー(千葉県市川市)は、区分マンションの中でもあえてファミリータイプの区分マンションを取得する独自の手法で資産を拡大してきた。2003年から東京・千葉・神奈川エリアを中心に不動産投資を行い、今年で23年目になる。25年3月末日時点で区分マンション12戸とアパート4棟、合計70戸以上を保有。現在の賃料収入は年間5000万円を超えている。

束田光陽オーナー(千葉県市川市)

 よく耳にするワンルーム投資ではなく、あえてファミリータイプの区分マンションを選ぶ理由は出口戦略にある。保有住戸を売却するとき、購入希望者は投資家だけでなくマイホームとして利用する人も対象となるのだ。つまり、住宅ローンを利用して購入する人が購入者の候補になる。そのため、購入者が住宅ローン控除を使用できる床面積40㎡以上の大きさのマンションを投資対象にしているという。

購入層の違いが生む価格差

 束田オーナーは、実需利用者と投資家の間にある相場差にも着目した。物件の売却をするとき、実需利用者に向けて売却するほうが高く売れるのだ。

 「同じマンション内で同時期に実需向けの部屋(空室)とオーナーチェンジの部屋(居住中)が売り出されていたことがありました。その時、実需向けの部屋のほうが、オーナーチェンジの相場と比べて約2~5割高く売られていました」(束田オーナー)

 こういった経験も踏まえ、①オーナーチェンジで投資家から購入し、②売却時には実需利用者向けに売却する方法で利益を重ねてきた。

 また投資家からオーナーチェンジ物件を買うことは、空室リスクがないというメリットもある。オーナーチェンジ物件は購入時から入居者がいるため、最初から家賃収入でローン返済が可能なのだ。さらに、仮に入居者が退去したとしても、空室のまま実需向けの相場で高値で売却できるチャンスになる。

▲単身者向けではなく、あえてファミリータイプの区分マンションを扱う

 この手法であれば、購入した部屋の入居が続く場合と退去になる場合、どちらの状況でも束田オーナーの投資にはプラスに働く。こうして低リスクで堅実な投資を行い利益を重ね、確実に資産を増やしてきた。

 また束田オーナーは資産拡大のペースを加速させるため一棟物件にも投資を行う。ローン期間を長く取れる新築や築浅物件を中心にしているという。

 「ローン返済後の毎月の手残りを一定額確保できるなら、購入を検討します」(束田オーナー)。返済比率はおおむね55%が目安とのことだ。

 一棟物件は売却時期についても悩みどころだ。束田オーナーはこれについて、「築10年が一つの売却検討タイミングです」と話す。築10年前後が大規模修繕を行う目安といわれ、大きな費用が必要になるためだという。

 「その修繕金額を払ってでも保有を続けるのか、それとも大規模修繕を迎える前に売却し、その利益で次の不動産を買うべきなのかを判断しています」(束田オーナー)

(2025年8月号掲載)

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