勤務先廃業の窮地を家賃収入が救う

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勤務先が突然廃業の窮地 家賃収入1000万円が救う

 メーカーの営業担当だった水田義一オーナー(大阪市)。営業成績で社内1位を獲得したこともある敏腕社員だったが、2023年春、突然無職になった。勤め先の会社が急に廃業してしまったのだ。
 水田家の子どもたちはまだ学生で、これからますますお金がかかる時期。不安が募るこの大ピンチを救ったのが賃貸経営だった。

水田義一オーナー(大阪市)

倒産見据え購入開始

 実は20年ごろには勤め先の業績が悪化していると感じていた。「5年後くらいにはもしかすると倒産もあり得るかもしれない」と水田オーナーは退職を見据えて行動することを決意。そんなときに出会ったのが賃貸経営だった。

 勧めてくれたのは、営業先の店長。商材についての欠点も正直に伝える水田オーナーに好感を持っていた店長は、賃貸経営を始めるよう熱心に諭したという。

 同年、店長の言葉に心を動かされた水田オーナーは、家主の会である「ドリーム家主倶楽部」の門をたたく。そこで水田オーナーが現在までメンターと慕う、ある先輩家主との出会いがあった。

 「店長とメンターとの縁があって賃貸経営を始めることができたのですから、人の縁は素晴らしいと思います」と水田オーナーは振り返る。

 サラリーマンとして働きながら、数戸を購入した。そして賃貸経営を始めてからわずか3年後、本当に勤め先がなくなってしまったのだ。「想像よりも早く会社が廃業したので、在職中から賃貸経営を始めていて本当に助かりました」(水田オーナー)

5年で14戸まで拡大

 家主の会に顔を出し始めたころから、諸先輩は皆、親身になってくれた。まずアドバイスされたのは、自家用車を売ること。それを最初の戸建て賃貸の購入資金の一部とした。

 「車の売却のほかにも、愛妻弁当や飲み物を水筒に入れて持参することでランチ代を切り詰めてコツコツお金をためました。また両親も戸建てのリフォームを手伝ってくれて。周りの人には本当に感謝してもしきれません」(水田オーナー)

 20年に最初の1戸を購入して以来、年に2~3戸のペースで購入してきた水田オーナー。現在は戸建て賃貸を14戸所有する。年間の家賃収入はついに1000万円を超えた。

 所有するのは3LDKのものから120坪のものまで幅広い。エリアは神戸市に11戸、姫路市と丹波篠山市、西宮市にそれぞれ1戸だ。すべて築40~50年の築古である。

    ▲資格を生かしてオーナー自ら施工することも

自分でリフォームして費用削減

 物件購入後に生きたのが、電気工事士の資格だった。会社の危機を感じたのをきっかけに、空いた時間に猛勉強して取得していたものだ。「資格が必要なリフォームも自分でできるので、リフォーム費用を抑えて利回りを上げることができます」(水田オーナー)

 物件購入の条件は、取得金額とリフォーム費用、想定家賃とのバランス。「例えば100万~150万円で購入して50万円ほどかけてリフォームし、月6万円で貸すと、利回りは30%を超えます。10万円で購入したものを200万円でリフォームして、7万5000円で貸しているケースもあります」(水田オーナー)

 現在の悩みは、所有する戸建て賃貸は1棟ものの物件に比べて担保評価が低くなりがちなことだ。

 「1棟ものの物件の購入も考えてはいますが、戸建てリフォームはとても楽しい。だからこそやめられません」と水田オーナーはリフォームへの思いを語った。

▲リフォーム価格を抑えた高利回りの物件が多い

(2025年9月号掲載)

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