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<<入居者との思い出>>
トラブル対応も学びや経験に 自主的な物件清掃から築く信頼関係
角本訓章・朋子オーナー(東京都練馬区)は2015年から夫婦で不動産投資を始め、徐々に物件を増やしてきた。18年4月には、東京都国立市に妻の朋子氏名義で築33年のRC造マンションをオーナーチェンジで購入。ところが、その物件の前オーナーは投資目的の所有だったため、管理会社は入っていたが放置状態。共用部は荒廃していた。
角本訓章・朋子オーナー(東京都練馬区)

[プロフィール]
訓章氏は大阪府豊中市生まれ。35歳までプロのミュージシャンとして活動。求人広告関連企業の会社員を経て、2015年から不動産投資を始める。妻・朋子氏も、同年より共に不動産投資を開始。現在夫婦でアパート、マンション6棟と戸建て1戸の計45戸を運営中。

▲ホームステージングは、百貨店に勤務していた経験のある朋子氏がインテリアセンスを生かし担当
当時、不動産オーナーになって日が浅かった角本夫妻は、経験を積むために補修も含めて自主的に物件管理を行うことにした。週1回、共用部の掃除に通い始めた。
すると最初に入居者のIさんが「物件をきれいにしていただけるようになって、大変気持ちよく住めるようになりました!」と声をかけてくれた。Iさんは、近くの介護施設で働いている40代くらいの女性だ。
その後は、ほかの入居者たちも共用部を清潔に保つことに協力してくれるようになり、物件全体の美観がぐっと向上した。
しばらくした頃、Iさんの部屋で外部のシーリング劣化による漏水が発生。補修で漏水は解決し、更新料を無料にする形で対応した。ところが、その後Iさんから「やはり湿気が気になるので、同じ建物のほかの部屋へ移りたい」と相談された。 Iさんが除湿器を使用していたり、咳が出て通院していたりするのを知った角本オーナーは、除湿機能の高い最新型のエアコン2台を購入し設置。既存のエアコンもまだ十分使用できる状態だったが、Iさんの体調を気遣っての対応だった。これにより居室の環境は大幅に改善。Iさんはすっかり満足し、今も同じ部屋に住み続けている。
「お互い気持ちのいい形で問題が解決したのも、日頃から信頼関係を築くことができていたからです。入居者に『困り事をきちんと相談できる、気さくな家主がいる』と思ってもらえることが退去率を減らし、物件の美化にもつながるのだと思っています。大きな学びを得ると同時に、物件管理や入居者対応に自信を持たせてくれた出来事でした」(角本オーナー)
今ではほかの入居者も、角本夫妻が原状回復工事で物件を訪れた際は、お茶とお菓子の差し入れをしてくれることもあるという。入居者との親交を深められていることに喜びを感じている角本オーナーだ。
(2025年 11月号掲載)