<<倉庫投資>>
物流市場の増大を背景に倉庫を小口化販売
相続財産評価、減価償却費の計上が可能
事業用倉庫の販売・管理を行うREVO REAL ESTATE(リボリアルエステート:福岡市)は倉庫の小口化事業を2月から展開している。「PROFITY(プロフィティー)」という商品で、不動産特定共同事業法における任意組合型の不動産小口化商品だ。第1号物件となる岡山県里庄町の倉庫は、7800万円の倉庫を1口100万円計78口で5月に募集を開始。1カ月以内に1人のオーナーがすべて購入したという。
REVO REAL ESTATE(福岡市)
諏訪慶三社長


プロフィティー第1号
運用期間は明確に定めておらず、5年以上の長期譲渡所得を視野に入れた運用が基本。不動産市況を見ながら売却のタイミングを図る。第1号物件は、表面利回りが約8・3%、分配利回りは約4・9%。

同社では倉庫投資のメリットを五つ挙げる。
一つ目は、倉庫はオフィスビルやマンションなどと比べて保守・管理コストが低い点。管理そのものを同社に任せることができ、100万円からの投資で低コスト、低リスクのため、少額での投資が可能になる。

二つ目は、相続対策としても有効な点。資産評価については、任意組合型の不動産小口化商品のため、不動産と同様の相続財産評価方法となる。そのため、現金よりも評価額が圧縮される。遺産分割については、口数ごとに分けやすい点と、相続、贈与も可能な点がメリットとして挙げられる。また一部あるいは全部を売却することで現金化でき、納税資金に充てることも可能だ。
三つ目は、投資家自身が物件の減価償却費を計上できる点。実際には費用が発生しない状態で実物不動産と同様に経費を計上できるため、キャッシュフローへの影響を抑えつつ、税負担を軽減する。
四つ目は、長期的な契約が一般的な倉庫のため、空室リスクが低く、安定した収入が得られる点。利益分配金は年に2回得られる。
最後の五つ目は、同社では安全性を重視して、優先劣後システムを採用していることだ。同システムでは投資家の出資を「優先出資」、同社の出資を「劣後出資」と位置づけている。そのため、優先出資者である投資家は劣後出資者の同社よりも出資金の返還が優先され、投資家の出資元本の安全性が高まるという。ただし、出資額以上の損失がないことを保証するものではない。
「当社では倉庫の小口化をキーに、物流における社会問題を解決しようと考えています」と同社の諏訪慶三社長は話す。
物流倉庫は、EC(電子商取引)需要の増加や災害リスクの分散化などにより需要が高まっている。

倉庫は値上がり中
同社では、安定した運用を実現するために、テナント選びは慎重に行うという。第1号物件は株式上場企業がテナントだ。第2号、第3号物件についても、テナントが決まり次第商品販売を始める予定。「倉庫投資のリスクはテナント企業の倒産なので、テナント選びは慎重に行います」(諏訪社長)
同社はグループ会社に倉庫を専門に建設する東亜建設(福岡市)があり、物流倉庫の需要増加を見込んで、投資商品化した。物流インフラ整備と投資機会の提供を両立させる取り組みとして位置付け、今後も小口化商品を増やしていく。
(2025年12月号掲載)






