<<データで見えた>>
実家のお墓に関する意識調査
事故物件、共有持ち分、空き家、底地・借地など、訳あり不動産の買い取り再販事業を行うAlbaLink(アルバリンク:東京都江東区)は、8月27日に「実家のお墓に関する意識調査」としてアンケート調査を実施。全国の男女500人から有効回答を得た。
Q.実家のお墓に関する悩みは?
A. 「遠くて行きにくい」が1位

実家のお墓に関してどんな悩みがあるのか聞いてみたところ、最多の回答が「遠くて行きにくい」(35.8%)だった。山の傾斜地や車が必須な場所など「不便な場所にある」と答えた人も12.2%おり、立地やアクセスの問題がお墓の維持・管理における大きな時間的・経済的負担になっているようだ。
自身や兄弟姉妹に子どもがいない、兄弟姉妹が全員実家を離れているなどの事情があり、「継承者がいなくなる」(21.4%)と答えた人の割合も20%以上と高い。「今後の方針が決まらない」(9.0%)という回答からも、お墓の将来に関して不安を感じている人も多いことが明らかになった。
実家のお墓参りの頻度については「年に1回」(30.8%)が最も多かった。「数年に1回」と回答した人も5人に1人以上おり、距離が遠いために足を運ぶ頻度が少なくなっていることがうかがえる。
ただ「年に3回以上」(17.2%)お墓参りに行く人がいる一方で「行っていない」という人も1割を超えており、お墓参りの重要性や頻度は家庭や人によってさまざまだということがわかる。
Q.実家のお墓は誰が管理しているか
A. 「親」が圧倒的多数

実家のお墓の管理をしている人は誰かという質問には、「親」(66.6%)と回答した人が大多数を占める。次いで「親戚」(14.2%)、「自分」(10.6%)、「兄弟姉妹」(7.0%)が続く。「両親が健在のため、今は両親が小まめに行ってくれている」「親が行ってくれていて、自分で行く機会はあまりない」など、血縁者の中でも年長者となる親世代が管理・維持を担っていることが多い。
また納骨堂を所有する宗教法人が管理しているような「霊園の運営者」(4.6%)という回答もあった。
しかし自身が50代以上になると、親が高齢になったり亡くなったりして、自分や自分の兄弟姉妹が管理を担うケースも増えている。
Q.将来的にどうしようと考えているか
A. 墓じまいすることを念頭に置く

実家のお墓の将来的な扱いについて、最も多かった回答は「墓じまいする」(45.2%)だった。その理由として「遠くまでお墓の手入れに出向くのが大変」「負担を子どもや次世代に残したくない」などが挙げられる。「お墓を移す」(4.4%)と答えた人もいたことから、管理や維持の負担を減らしたいという傾向が強いことがわかる。
その一方で、2番目に多かった回答が「引き継いでいく」(29.8%)だった。従来の形でお墓を守ろうという意向も根強いといえるだろう。
いずれにせよ、後継者が都市部で働いている地主にとって、自身が受け継いだ母屋とお墓をどのように子どもや次世代に承継してもらうかが大きな課題になりそうだ。
(2026年 1月号掲載)






