地元オーナー発信―脱炭素化事業の進出による潮流(札幌)

賃貸経営トレンド

札幌|脱炭素化事業の進出による賃貸業界への潮流

外村真美オーナー

 苫小牧市とその周辺では、脱炭素化に関連する複数の大型事業が始まろうとしています。石油元売り大手の出光興産(東京都千代田区)は、2030年を目標に苫小牧市で再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」を活用する計画の推進を明らかにしました。

 一方、大勢の作業員の受け入れが大きな課題となっています。同市の現在の宿泊施設は約3000室ですが、市は28年には1日あたり1万人超が寝泊まりすると試算。仮設キャンプの開設や空き社宅の活用などを考えているようです。宿泊事業者は危機感を募らせていますが、不動産会社や賃貸・民泊事業者などはこの機会を逃すまいと力が入っています。

 苫小牧市は北海道では4番目に人口が多い都市です。しかし、13年の約17万人をピークに減少に転じています。製造事業を中心に有名企業が多数進出し、工業都市として発展してきた苫小牧市は、脱炭素化の大型事業をきっかけに息を吹き返すことができるのでしょうか。また近隣の千歳市では半導体メーカー、Rapidus(ラピダス:東京都千代田区)の進出を機に不動産業界が非常に勢いづいています。それにならって苫小牧市も流れに乗ることができるのか、今後に期待が高まります。

(2026年 1月号掲載)

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