沖縄|改正住宅セーフティネット法と家主の使命
仲田哲善オーナー

沖縄県では、低所得者や高齢者ら住宅確保要配慮者の住まいの確保が深刻な課題となっています。全国平均を下回る所得水準の中、県内の賃貸市場においては全地域で稼働率が高く、家賃上昇が続いていることも要因の一つです。那覇市では単身者の住宅扶助上限が3万2000円にとどまり、この金額で入居することができる民間賃貸住宅はごくわずか。安価な住宅の確保は年々難しくなっています。
こうした状況の中、2025年10月1日に改正住宅セーフティネット法が施行されました。新たに創設された「居住サポート住宅」の認定制度では、居住支援法人が住宅確保要配慮者の見守りや残置物処理などを担い、家主が安心して貸すことができる仕組みを導入。さらに、改修費の補助制度や家賃支払いの際のサポート体制も拡充され、民間住宅の活用を促す環境が整いつつあります。
今後は、空き家や老朽住宅を再生し、地域のニーズに応える「社会的住宅」として提供することが、家主の新たな使命となるでしょう。貸すことが、地域を支えることにつながる。この法改正を機に、住宅確保要配慮者への住宅提供と併せて沖縄の賃貸市場を充実させ、地域の実情に配慮した取り組みを進めたいと思います。
(2026年 1月号掲載)






