地元オーナー発信―家賃値上げが難しい現状(広島)

賃貸経営トレンド

広島|家賃値上げが難しい中国地方の現状

豊田裕之オーナー

 2025年5月の「全国賃貸住宅新聞」による全国の管理会社への調査によれば、約7割が家賃の値上げを実施した一方で、足元の空室率が高い中国地方では、値上げに踏み切れない状況にあることが明らかになりました。

 背景には、まず人口・世帯数の伸び悩みがあります。大都市圏のように転入超過で需要が増えるエリアと違い、入居者候補そのものが増えにくいため、オーナー同士の競争は「家賃を上げる競争」ではなく「いかに空室を埋めるか」の消耗戦になりがちです。

 次に、所得水準と雇用構造です。物価や光熱費は全国一律で上がっても、地場企業中心のエリアでは給与水準の伸びが限定的なケースが多くあります。入居者側の「払える家賃の上限」が上がりにくいため、大都市圏のように強気の家賃改定をすると、一気に反響が鈍くなるリスクがあり、管理会社もオーナーも慎重にならざるを得ません。

 さらに、土地が比較的安い中国地方は、郊外で駐車場付き新築物件を供給しやすいためライバルが多くなりがち。既存物件は「家賃を上げる」より「人気設備の導入でやっと現状維持」という構図になりやすいのです。

 広島でも、今後は空室状況と家賃のバランスをより慎重に見ていきたいと考えています。
(2026年 2月号掲載)

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