福岡|地震被害予測から考える今後の不動産事業
𠮷原勝己オーナー

2025年10月に福岡県が発表した地震被害の調査結果では、福岡市の真下を通る警固断層帯を震源とするマグニチュード7・7の地震が30年以内に0・3~6%の確率で発生し、県内全体で死者約2600人、避難者は約32万人、建物の全壊・全焼は3万6000棟に達すると予測されました。05年の福岡県西方沖地震から約20年。都市の耐震化は進んだもののライフラインの被害も想定され、老朽建物や密集市街地、埋め立て地などでは依然として高いリスクが残っています。
この被害想定から、耐震性・防災性を高めた建物は「安全資産」としての評価が上がり、災害対応力そのものが不動産価値となりそうです。今後は、単に立地や利便性だけでなく、「災害に強い建物・運営体制」をどう可視化し、社会に発信していくかが問われる時代になるでしょう。
福岡都市圏は人口増加と再開発の波により成長を続けていますが、同時に地震への備えを前提とした都市経営が不可欠となりました。今後の不動産事業は、災害リスクを避けるだけではなく、それを前提にした「レジリエンスな資産づくり」へと向かうべきだと考えます。地震リスクを脅威ではなく、信頼と価値を生む転機として捉えることが、福岡における不動産戦略になりそうです。
(2026年 2月号掲載)





