<<注目医院に聞いた!潜入人間ドック事情 最終回>>
「予防」「治療」「エイジマネジメント」のすべてに対し医学的にアプローチするSBIメディック(東京都千代田区)。今回は会員制の健康管理サービスを中心に紹介する。顧客には経営者やエグゼクティブが多いという。MRIやCTなどの最新医療機器を備え、脳梗塞の予防につながるEPA濃度の測定など、「未病」段階での早期発見に重点を置いた「総合人間ドック・スーパープレミアム」などの受診コースを用意。定年のない不動産事業を行う人にとって、頭脳も体もメンテナンスが重要だ。
健康診断だけでは不十分
そもそも健康診断と人間ドックの目的は異なる。SBIメディックの提携医療機関である東京国際クリニックの高橋通院長によれば、健康診断はあくまでも国がその地域の死亡率を下げるために最低限行うものだという。「早期発見できれば助かるのに、通常の健康診断ではわからない病は実際にあります。健康診断で『異常なし』とされたから安心ということではありません」と高橋院長は断言する。

▲窓外に丸の内の景色が広がる高級感ある待合室
健康診断では見落とされるごく小さな病変や、未病だが注意が必要というポイントも見つけることができるのがSBIメディックの人間ドックの強み。ドック受診者の7割程度に何らかの異常が見つかるという。同院の場合、検査自体にかかる時間は合計5時間程度で、1日に詰め込むことも、2日間に分けることも可能だ。検査当日に結果説明を受けられ、後日、1時間ほどかけて総括を聞くこともできる。
高橋院長自身は専門が循環器であり、狭心症の発見が得意だ。ほかにも何人かの医師がチームで結果を精査する。「循環器だけでなく全身くまなくチェックしています」と話す高橋院長によると、その中でも、MRIやCTによる検査はぜひ受けてほしいものだという。
例えば、膵(すい)臓がんは見つけにくく、症状が出る頃には命に関わることも少なくない病気として知られている。だが、MRIを使えば、症状がない段階でも膵臓がんのリスクを高める嚢胞(のうほう)性病変を見つけることが可能だという。さらに遺伝子検査などを組み合わせることで、早期発見を実現している。「早期発見により、膵臓がんは完治が目指せます」(高橋院長)
最新医療機器を取り入れるほか、同院はAI(人工知能)の活用も始めている。「新しい検査や技術は常に先取りして導入しています。肺がん検査の読影を、医師だけでなくAIによる確認も行うことで、スピードと正確性を高めています」(高橋院長)
- ▲短時間で広い範囲を細 かく撮影でき、微細な病 変の発見が期待できる マルチスライスCT
- ▲MRI検査は放射線を使 わずに病気の部分と正 常な組織の違いを画像 上で区別しやすい
隠れ脳梗塞の予防に効果的 青魚を食べよう
同院は血中のEPAの濃度測定が検査項目に含まれる。この数値が高いほど動脈硬化の進行が遅く、隠れ脳梗塞が少ないため、健康度の目安になる。EPAは魚を食べることで摂取することができる。「魚を食べる習慣があるかどうかは、どんな占い師より正確に当てる自信があります。それだけわかりやすく効果があるということなので、ぜひ魚を食生活に取り入れてください」
目指すは長寿でピンピンコロリ
人間ドックの結果の活用により、健康寿命を延ばして生産性を上げたり、突然死を防いだりすることができるという。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。長生きしたとしても、晩年に不健康で何もできない状態では、本人にとって苦痛であるだけでなく、家族や抱える従業員にも大きな負担をかけることになる。
長寿で「ピンピンコロリ」を目指すなら、まずメンテナンスしたいのが血管と脳だ。「心臓や脳の血管の状態は細かくチェックしています。脳でいうと、軽度認知障害(MCI)の状態をいかに防いでいくかがポイントです。生涯現役の経営者や地主は、クリアな思考力を維持したい人が多いと思うので、しっかりとサポートしていきます」と高橋院長は話す。それに加えて、肥満、高血圧、糖尿病の改善も健康寿命を延ばすのに効果的だ。
生活面では歩く習慣を見ている。足の筋肉が衰えて下肢の血流が悪くなってくると、脳の血流も悪くなり「隠れ脳梗塞」を引き起こすからだ。
さらに、病気とはいえないまでも調子が悪く、働けるが効率が悪い「労働機能障害」へアプローチするのも同院の特徴。労働機能障害の原因としては、睡眠時無呼吸症候群や男性の更年期障害が多いという。特に男性の更年期障害は、ホルモン注射やメンタル面のサポートで体調の改善が見込めるケースが多い。仕事の効率を高められることへの価値は大きい。
また計画的な事業承継のためにも避けたいのは突然死だ。「実は40歳以降は突然死のリスクが高くなってきます。動脈瘤(りゅう)の破裂、不整脈、心筋梗塞のリスクを評価し、いかに防いでいくかが大切です。時間をかけて事業承継するためにも、そして従業員を路頭に迷わせないためにも、若いうちから意識してほしい部分です」(高橋院長)

▲検査の合間の待機時間にはプライバシーに配慮された空間で過ごすことができる
「健康寿命」と「資産長者」の両立
令和の時代、100年以上生きる人も増えてきた。「資産があっても健康でなければ人生を楽しめません。超早期発見と予防に力を入れています。健康維持にはお金もかかります。資産の運用については、金融に強いSBIグループ会社につなぐことも可能です」(高橋院長)
病気が見つかってからでは遅いため、病気になる前の体のケアに力を入れているのだ。ドックの検査項目は196にも上り、臓器一つ一つをしっかり見ていく。「病院らしくないホテルライクな空間でドックを受け、その後の健康に生かしてほしいと思います」と高橋院長は話す。
ふるさと納税の返礼品 ポイントを支払いに使える
同院では「ふるさと納税払い チョイスPay(ペイ)」を支払いに使うことができる。東京都千代田区にふるさと納税をすると、返礼品として寄付額の30%が「チョイスPayポイント」としてチャージされる。そのポイントを同院の支払いで活用できる仕組みだ。
ふるさと納税の上限額が高く、制度を活用しきれないという悩みを持つ会員に喜ばれているという。
SBIメディック(東京都千代田区)
東京国際クリニック
高橋通 院長

筑波大学卒業、東京大学大学院修了。2015年より現職。恩師ががんで他界した悲しみをきっかけに医学の道を志す。循環器科を専門とし、一刻を争う救急救命の現場で経験を積む。救命治療に至る前に手を打つことができれば失わずに済んだ命があったとの思いから「先制医療」や「予防医療」に強く着目。現在は、SBIメディックが提携する東京国際クリニックの院長を務め、予防のプロフェッショナルとして多くの命を救う。
(2026年3月号掲載)






