広島|供給過剰な分譲マンション市場の行く先
豊田裕之オーナー

2026年に入り、テレビやチラシ、インターネットのバナーで広島県内の分譲マンションの広告をかなりの頻度で見かけるようになりました。新築の売れ残りも結構あるようで、ポータルサイトを見るとやはり即入居可能な新築物件や竣工間近の物件が多く掲載されています。
売れ行き鈍化でデベロッパーも慎重になり、供給は25年から絞られているようですが、それでも供給が需要を上回っているという見方が正しそうです。背景には、低金利期に積み上がった開発計画が、資材高や人件費高を受けた価格転嫁とともに一斉に市場へ出てきたことがあります。特に広島市中心部は用地確保競争が激しく、事業採算を守るため販売価格を下げにくいのです。価格が硬直的なまま供給が増えると、在庫が積み上がり販売期間が長期化し、次の供給も重なることで売れ残り感が強まります。ここに25年末の利上げが重なり、ローン負担の上振れ懸念によって購買意欲が鈍化。県全体では人口が減少局面で、需給はさらに悪化しそうです。
広島には、地場最大手の会社をはじめ、多くのマンションデベロッパーが景気の谷間に破綻した歴史があります。賃貸オーナーの私たちも、興味深く今後の市場を注視していく必要があるでしょう。
(2026年4月号掲載)






