未使用・箱付きは高値が付くブランド食器

コラム眠っているお宝

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ブランド食器

 「人気のあるブランドの品物には値段が付くものの、需要が激減し高値が付きにくくなっているのがブランド食器の買い取り市場の現状です」。こう話すのは、神奈川県鎌倉市で長年にわたりブランド食器を中心に西洋のアンティーク品や古道具、骨董こっとう品の買い取り販売を行っている「鎌倉ブルースリー」の羽生龍臣代表だ。その要因の一つは、2011年の東日本大震災だという。

 「またいつ地震で食器が割れてしまうかわからないから売ってしまおうという人が増え、ブランド食器が市場に大量に放出されたのです」(羽生代表)。その結果、それまで3万円から4万円で買い取られていた売値10万円の希少なイヤープレートであっても、よほどの逸品でない限り5000円で買い取るのも難しくなってしまっているのが現状だ。

 もう一つの値崩れの要因として、電子レンジと食器洗い乾燥機(食洗機)の普及がある。高級な食器には金彩を施したものが多いが、電子レンジは使えず、食洗機に入れると変色や剥がれの恐れがある。そのため、金彩の食器を好む人の多くは年配者になってしまった。40代以下で食器にこだわりのある人々は、電化製品の使用も可能なフィンランドのブランド「アラビア」などのシンプルな食器を好むのだという。

未使用・箱付きは高値が付く

 震災前ほどではないが、高値が付く食器もある。デンマークの「ロイヤルコペンハーゲン」やイギリスの「ウェッジウッド」、ドイツの「マイセン」といった世界的に有名な高級ブランドの人気のあるシリーズで、未使用か使用感のないもの、さらに箱付きであると高値が付きやすい。日本のブランドでは「ノリタケ」や「大倉陶園」が明治時代から第2次世界大戦前に輸出向けに作っていた「オールドノリタケ」や「オールド大倉」シリーズが人気を盛り返している。どちらも手作業により作られた、芸術性の高いアンティーク品だ。

▲人気のオールドノリタケ。絵柄はすべて職人の手描きだ。売値はポットが27万5000円、カップ&ソーサーは5万5000円(いずれも税込み)

 「世界には数多くの食器ブランドがありますが、有名どころのブランドしか取り扱っていない買い取り店も少なくありません。すると、取り扱いリストに該当しない高級ブランドの食器が20~30円の査定額になってしまうことがあるのです。驚いて当店へ駆け込んで来るお客さまもいます」と羽生代表は話す。

 専門家でなければ知らないブランドも多くある。少しマイナーかもしれないと思われるブランド食器を査定に出す際は、特に専門家がいる店に依頼してほしい。事前に、ネットで市場価格を調べておくのもおすすめだ。

お話を聞いた鑑定のプロ

鎌倉ブルースリー(神奈川県鎌倉市)
羽生龍臣代表
ブランド食器の専門家で鑑定歴は30年に及ぶ。神奈川県鎌倉市で姉妹店「骨董&古道具 DAN(爺訓堂)」も経営している。

店舗情報
1996年創業。出張買い取りのほか、店頭や宅配による買い取りも行っている。

(2026年3月号掲載)

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