親の具体的な考えを確認する 当事者間の情報共有も大切
対話で「争続」を避ける
今回は「相続について話す」テーマの4回目、「親と話す」をお届けします。
現在、親と一緒に不動産事業に携わっている人も多いと思います。
親が元気なうちから少しずつ事業内容の引き継ぎをしたり、資産全体を把握したりしておくと、後に相続が発生したときに慌てなくて済みますし、相続税の申告などもスムーズに行うことができるメリットがあります。
一方で、資産をどのように分けるのかまでは具体的に親から話をされておらず、こちらから聞いていいものか考えあぐねているという話もよく聞きます。
高齢になってくると、今は元気そうに見えても、いつ何が起こるかわかりません。親がきちんと考えているだろう、そのうち聞いてみよう、と後回しにしているうちに、突然親が倒れてしまうことも考えられます。もちろん税理士や公認会計士がきちんと管理していれば法律上の問題はないでしょう。しかし、どのような考えで相続財産の分け方を決めたのか、親の意向をはっきりと確認しておいたほうが、相続発生時に「争続」にならず、より円滑な手続きができると思います。
情報はできるだけ共有する
本当は親のほうから相続について話を切り出してくれるといいのですが、親の中には「まるで自分が死ぬ準備をしているようで気が進まない」などと感じる人もいるようです。
もし親のほうから話してくる気配がないようなら、私は子どものほうから話題にしてもいいと思います。
その際、きょうだいもしくは法定相続人になる人がほかにもいるようであれば、まずその人たちに「親に相続の話をしてみる。同席してほしいが、無理なら話した内容は後日連絡する」と先に伝えておきます。相続は金銭が絡むだけに、後になって「内緒で親と話して、自分に有利になるように図ったのか」などと誤解され、トラブルになる可能性があるためです。
また、ほかの人たちが同席できなければ、相続についての希望や質問事項を併せて確認しておき、親に伝えましょう。
実際に話をしてみると、親の相続に対する思いが子ども側の意見と合わないというケースはよくあります。できれば親が元気なうちにお互いの希望をできるだけ擦り合わせて、それぞれが納得いく形で資産承継ができるといいと思います。
佐藤 栄子プロフィール

不動産会社で約20年、主に秘書業務を担当。退職後、心理学を学ぶ。現在はインターネット総合サイト「exicite(エキサイト)」を含む3社で電話とメールによる心理カウンセリングや、離れて暮らす親子がつながるための情報サイト「親子ネクト」でコラムの執筆を行う。
(2024年11月号掲載)
アクセスランキング
- 注目の新築 プロジェクト:デザイン性と収納力で差別化
- 【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第九弾①
- 注目の新築プロジェクト:植栽付きバルコニーとドッグラン
- Regeneration ~建物再生物語~:築90年の日本家屋
- 【PR・特集】相続で 困ったときに頼りになる 専⾨家・サービス①
- Regeneration ~建物再生物語~:既存不適格建築物を店舗併用住宅に再生
- 【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第六弾:①
- Regeneration ~建物再生物語~:築古アパートをシェアハウスに改修
- 【特集】持ち味発揮 共用部を変えた家主の工夫①:エントランス
- 【特集】押さえておきたい不動産の共有リスクと解消法①
- Regeneration ~建物再生物語~:アトリエ付き住宅へリノベして受賞
- 【特集】古くなったら避けられない 大規模修繕の基礎知識①
- 【特集】24年のカギを握る入居者を引き付ける設備9選
- Regeneration~建物再生物語~:魚屋を複合施設へリノベ
- 【特集】基本を知れば怖くない 税務調査への 対応策:①税務調査概要編
- 【特集】時代に乗り遅れるな今こそ省エネ化①:省エネ賃貸住宅の夜明け
- 【特集】不動産購入で伝来の土地を守る
- 地名・土地の名前の由来 その隠された意味とは?
- 地主・土地持ちはずるいvs大変?地主になるにはどうやってなる?
- 武家屋敷(大名屋敷・江戸屋敷)の特徴とは? 跡地に建つ有名施設
- 大家さんとは? 不動産の大家さんになるには
- ランドセット(売り建て住宅)とは メリットデメリット