税金を抑える
~支出を伴わない控除 青色申告特別控除の改正~
キャッシュフローを改善するためには、①収入を上げる②支出を下げる③税金を抑える、この三つしかありません。前回に続き、③の税金を抑える方法を解説します。
前回は「支出を伴わない控除を使う」の例として青色申告特別控除について説明しました。この青色申告特別控除は、2026年の税制改正大綱に、27年から大きく変更する内容が記載されました。
今回は、改正内容について解説していきます。
27年からの青色申告特別控除
①55万円控除が廃止され、65万円控除に統一
現行の55万円控除について、その提出期限までに国税電子申告・納税システム「e-Tax(イータックス)」を使用して行うことを適用要件に加えたうえ、控除額が65万円に引き上げられます。
紙での提出では、10万円の控除しか受けられなくなります。
②75万円控除の新設
①の65万円控除の条件を満たしたうえで、その年分の事業にかかる仕訳帳および総勘定元帳につき、一定の要件を満たしたものについて、控除額が75万円に引き上げられます。
一定の要件とは、優良な電子帳簿といわれる「取引日・金額・取引先で検索でき、範囲指定や複数条件検索またはダウンロード対応、訂正・削除履歴が確保されている会計システム」などで作成を行っていることです。「エクセル」などでの集計では適用されず、前述の要件を満たす会計ソフトを使用して帳簿をつけることが必要になると考えられます。
③家賃収入1000万円超の場合の10万円控除要件の見直し
その年の前々年分の不動産所得にかかる収入金額が1000万円を超え、かつ簡易な簿記の方法により記録している者が10 万円控除の対象から除外されます。
2年前の家賃収入が1000万円を超える場合には、簡易な簿記ではなく、複式簿記による記帳をしなければ、控除を受けられなくなるということです。
売却などによってその年には事業的規模未満となっている場合であっても、2年前に家賃収入が1000万円超あれば、簡易帳簿による10万円控除を受けられません。

※BS:賃借対照表
簡易帳簿でなければ(つまり複式簿記による帳簿づけをすれば)、10万円控除の対象になると思われますが、今後、改正の詳細な情報が公表される際に変更になる可能性がある点はご了承ください。
改正内容を整理すると、図1のようになります。事業的規模で経営を行う家主の皆さんは、75万円の控除を受けられるように準備しておきましょう。
【解説】
Knees bee(ニーズビー)税理士法人(東京都千代田区)
代表 渡邊浩滋税理士・司法書士

危機的状況であった実家の賃貸経営を引き継ぎ、立て直した経験から2011年開業。18年大家さん専門税理士ネットワークを設立し、全国の家主を救うべく活動中。22年法人化。「賃貸住宅フェア」などでの講演も多数。
(2026年4月号掲載)






