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住所等変更登記の義務化が開始
施行日前の変更でも申請の対象
これまで任意だった「住所等変更登記」が、4月1日から義務化される。住所等変更登記とは、不動産の所有者(所有権の登記名義人)が住所や氏名、会社・法人の名称を変更した際に、登記簿上の情報を最新のものに更新する手続きのこと。引っ越しや結婚、離婚などの際に必要だ。
変更から2年以内の申請が必要で、正当な理由なく申請を怠った場合は5万円以下の過料が科される可能性もある。また施行日前の変更であっても義務化の対象となるが、施行日から2年間の猶予期間があり、変更登記の期限は2028年3月31日までとなる。
義務化となった背景には、所有者または所有者の所在が不明な「所有者不明土地」の問題の深刻化がある。国土交通省の調査によると、全国でこのような土地は約410万ヘクタールあり、九州本島の面積に匹敵する広さだという。また所有者不明土地は、所有者の探索に多大な時間と費用がかかる。さらに公共事業や災害復旧・復興事業が円滑に進まなかったり、土地の民間取引や利活用の妨げになったりといった問題が生じている。
変更登記の方法は、自身で行う場合は住民票などの必要書類を準備して管轄の法務局へ窓口持参または郵送で申請するほか、オンライン申請など。手続きの煩雑さに不安がある場合は、司法書士への依頼も検討するといいだろう。また今回の義務化に伴い新設された制度「スマート変更登記」を利用することも可能。法務局が職権で住所等変更登記をするサービスだが、事前の申し出が必要だ。
住所等変更登記がきちんとされていないままだと土地所有者の確認が難しくなり、不動産の売却や相続が円滑に進まないリスクも出てきてしまう。手続きを忘れないように注意したい。
(2026年4月号掲載)





