【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第二弾⑥トレーラーハウス

土地活用その他建物

トレーラーハウス スタイルキャビン・FREELAY

一級建築士が手掛けるトレーラーハウス 軽量で耐久性に優れた商品を共同開発

エリアノ(東京都千代田区)
共同代表
勝呂祐介CRO(41)

デザイン性と機能性の両立

▲3社で共同開発した「FREELAY」

 2019年に設立したエリアノ(東京都千代田区)は、さまざまな用途で活用できるトレーラーハウスの企画や設計、販売に加え、トレーラーハウスを活用した地域活性化事業や投資事業など幅広い事業展開を行っている。

 トレーラーハウスの用途は店舗やオフィス、宿泊施設や倉庫など幅広く、近年はヘアサロンやペットサロンなどでの導入も増えている。建築物ではなく車両扱いになるため、一定の条件を満たせば建築困難な土地にも設置できるメリットがある。中古需要も高いため、不要になった際は売却することが可能だ。

 このように、移動や売却がしやすいトレーラーハウスは、新たに店舗を取得するよりも低リスクで、実験的な出店にも利用できる。

 一級建築士事務所でもある同社は、建築に劣らないデザイン性と実用性・耐久性を両立したトレーラーハウス「スタイルキャビン」を展開している。また、クライアントの事業を理解し、最適な空間デザインを手掛けているのも同社の強みだ。

 トレーラーハウスはテントと比較して快適性が高いため、絶景ポイントを活かせるキャンプ場やグランピング施設で活用されている。実際、スタイルキャビンも宿泊施設としての活用がほとんどを占めている。

 スタイルキャビンの導入費用は、トレーラーハウスの本体価格が800万~1200万円で、運搬費や設置費が50万~1150万円。そのほかに諸税金が必要だ。

 トレーラーハウスは、車幅2・5m以下、全長12m以下、高さ3・8m以下の制限内であれば自由に空間のレイアウトが可能で、建築と同様に電気や水道などのインフラや住宅設備、家電を使用することができる。ただし、法律で3・5t以下の重量制限が定められているため、設備配置は無制限ではない。

 制限内に収めるためには、取り入れる設備を取捨選択する必要性がある。そのため、同社はトレーラーハウス軽量化の取り組みとして、トレーラーハウスデベロップメント(東京都中央区)と阪和興業(東京都中央区)と組み、軽量性や耐久性、耐震性に優れたトレーラーハウス「FREELAY(フリーレイ)」を共同開発した。厚さ約1ミリのスチールを使用したCFS工法で、経年劣化に強いなどの特長がある。

 同社は、今後も協業による商品開発を強みとして事業の拡大を行う。建築では達成が難しいフレキシブルな空間活用が可能なトレーラーハウスの開発や展開を目指す。

(2024年6月号掲載)

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