【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第七弾③

土地活用店舗

インドアゴルフ GOLF NEXT 24

駐車場完備・完全個室の郊外型インドアゴルフ
無人運営で高収益、初月から会員登録300人の実績

年間売上2500万円を想定

 ワイムシェアリングは安田生命保険(現:明治安田生命保険)が設立した安田生命不動産が源流だ。近年では空間活用を柱にシェアハウスやシェアオフィスなど幅広い事業を展開する。その中で新たに目を付けたのがインドアゴルフ事業だった。

 インドアゴルフのFCチェーンはすでにさまざまなブランドが存在するが、駅近立地がほとんどだ。そこで同社は、他社との差別化を図るため郊外に着目。「GOLF NEXT 24」直営1号店を神奈川県相模原の住宅街に出店した。駅から徒歩でのアクセスは難しい立地だが、駐車場を完備することで、営業開始から3週間で会員登録が300人を超えたという。

ワイムシェアリング(東京都新宿区)
執行役員副社長 レジャー事業本部長 菅原 孝 氏

 同店は完全個室であることも特徴だ。最大3名まで同伴無料となっており、プライベート空間で家族や友人とゴルフを楽しめることも魅力の一つだ。

 基本モデルは完全個室4部屋で、出店形式は、新規に建設する「土地活用型」と空間活用の「テナント型」の2タイプがある。直営店は、商業施設の駐車場の一角や地方都市のホテル内、大手ゴルフ用品店の店内など、様々な遊休不動産を活用して出店してきたという。

 土地活用型(敷地面積150坪)の初期投資は、約8710万円。内訳は加盟金が300万円、開業支援金100万円、研修費50万円、保証金100万円、新築工事費5960万円、シミュレーター機器1470万円、その他初期の備品・販促費460万円、店舗取得費が270万円となる。

 テナント型(区画面積60坪)の場合は、約5680万円。こちらは新築工事費が2960万円、店舗取得費が480万円となる。年間売上はどちらも約2500万円を想定。投資回収は土地活用型が5年8カ月、テナント型が3年7カ月となる見込みだ。

 無人運営のノウハウは、本部が構築しているシステムをそのまま活用することが可能だ。また、本部が設置しているコールセンターが全店舗の対応をするため、加盟店が個別に顧客対応をする必要はないという。

 既存店の会員属性は、40~60歳代のゴルフ経験者が中心となっている。料金プランは7つあり、一番利用が多いのは使い放題で月額1万6500円のプランだ。既存店の月当たりの客単価は、1万1000~1万2000円。ハイスペックな設備ながら低価格で利用できることも人気で、会員の満足度は高く、退会数は極めて少ないという。

 同社は、若者がカラオケやボウリングのように気軽にシミュレーションゴルフを楽しめるよう、低価格のスポット利用も展開。ゴルフを始めるきっかけづくりになることを目指している。

▲郊外立地・低価格の差別化でFC店の増大を狙う

(2024年12月号掲載)
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