著者インタビュー:いちばんやさしく教える民泊の始め方

土地活用その他建物

いちばんやさしく教える民泊の始め方

初めての民泊運営を成功させるには

──民泊初心者に向けて本を書いた理由を教えてください。

 民泊運営を通して自分の納得できる働き方をする人が増えてほしいという思いから、経営ノウハウを本にしました。私自身は2015年に副業として民泊を始め、25年でちょうど10年目になります。経営を通して「自分でお金を生む力」がついたと感じています。運営に関わってきた民泊は累計で1300戸を超え、現在でも約500戸を運営しています。

──民泊というとトラブルが多いイメージがあります。

 民泊で発生する問題は、ほとんどがごみ問題か近隣住民からのクレームです。ただ、意外とトラブルと呼ぶほどの事態は起こりません。また管理・運営を委託していれば、オーナーが直接トラブルへの対応をする必要がないのは賃貸住宅と同じです。

──家主が自分で所有する物件で民泊を始めるメリットは。

 物件探しという最初のハードルがないのは有利ですね。民泊は開業できる物件を探すことが一番大変です。見栄えが重要なため、初期投資として多少のリフォームとインテリアコーディネートの費用がかかります。それでも、民泊として貸し出せる物件なら、自分で民泊経営をすれば利益が出るでしょう。万が一うまくいかずに撤退する場合も、転貸で運営する事業者に比べると簡単です。

──所有物件を利用する際に見落としやすい注意点は。

 事業として運営するため、居住用家屋に適用される固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。また自治体によっては、そもそも民泊を開業できない地域もあります。法令は確認しておきましょう。

──今後の展望を教えてください。

「リゾート民泊」の運営に力を入れていきたいです。リゾート民泊は、通常より設備が充実した高級志向の民泊です。地方の観光地を中心に、サウナやドッグラン、バーベキューセットを備えた施設もあります。利用者にとっては、所有することなく使える別荘のようなイメージですね。通常の民泊に比べ、日本人の利用が多い傾向があります。借り手がなく持て余している地方の物件でも、民泊として活用できるかもしれません。当社では、空室や空き家を民泊に転用したいオーナーのサポートも行っています。

著者:坂本貴洋
出版社:秀和システム
価格:1760円(税込み)

【概要】
2015年から1300戸以上の民泊を運営し、自らを「日本一民泊に詳しい不動産屋」と称する著者が、副業としての民泊事業の始め方を詳しく紹介する。筆者「たか社長」と民泊経営初心者の「佐藤さん」の対談形式で、読みやすい。物件探しから、設備や運用におけるポイントまで紹介している。初心者が収益性の高い民泊経営を実現するためのノウハウが詰まった一冊。

著者プロフィール:坂本貴洋(さかもと・たかひろ)

不動産会社、マスジーアイ代表取締役。大学卒業後、楽天(現楽天グループ)に入社。2015年より副業として民泊経営を始め、17年にマスジーアイを設立。新型コロナウイルス禍での民泊事業縮小に伴い、不動産仲介事業にも参入。現在は、自社物件の運営にとどまらず、サポート事業も行っている。「ユーチューブ」で「民泊チャンネルbyたか社長」を運営中。

(2025年 3月号掲載)

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