【特集】狭小地・変形地の活用法[後編]③:接道の幅幅5.5m

土地活用賃貸住宅

狭小地や変形地での賃貸物件の新築事例を紹介する。今回は限られた敷地内でさまざまな規制をかわして延べ床面積や専有面積を確保する例が見られた。

事例3
幅5.5mの道路に面する37坪 専有面積98㎡の3LDKを2戸

ポラスグランテック(埼玉県越谷市)営業二課
河西祥宜課長(46) 

 JR埼京線戸田公園駅から徒歩5分の場所にある「ルフージュ」は、25年2月に引き渡されたばかり。敷地は約123㎡、木造長屋の3階建て・メゾネットタイプの3LDK(約98㎡)2戸のファミリー向け物件だ。住宅総合企業のポラスグループの1社であるポラスグランテック(埼玉県越谷市)が企画・設計・施工を手がけた。

 周辺エリアは単身者向けの物件が多かったため、家主とも話し合い、ファミリー向け物件として20万円以上の家賃を狙う方針で計画がスタート。当初は敷地内で2棟の戸建て賃貸を検討したが、無駄な空地を避けようと一棟建ての長屋にすることに決定した。

▲戸田公園駅から徒歩5分の場所に立つルフージュ

  前面道路は幅5・5mで道路斜線制限がある。そこで、建物の両サイドにそれぞれ1台分の駐車場を設置した。同社営業二課の河西祥宜課長は「駐車場を設けた分、道路に面する建物の幅が狭くなり、斜線制限の適用が緩和される天空率の要件を活用することができました。その結果、3階建てが実現し、なおかつ建物も道路から60cmのところまで建てることが可能になりました」と語る。

 駐車場の上は上階の床が張り出しているので、2〜3階はその分だけ1階よりも面積が広い。これらによって、より有効に専有面積を確保することができた。

 また2戸は左右対称の間取りで隣り合うため、隣戸と重なる部分には階段や水回り、クローゼットなどを配置し、居室が直接隣り合わないように遮音の面でも工夫した。

 総事業費は約5700万円(税・諸費用込み、土地代は除く)。長屋にすることで同程度の広さの敷地で共同住宅を建てる場合よりも費用を抑えることができた。そのため「家主の意向で住宅設備に力を入れることができました」と話す河西課長。戸建住宅にも採用されているタンクレストイレや幅2m55cmのキッチン、浴室用テレビなどを導入している。

 2月7日時点で1戸あたり家賃22万9000円(表面利回り約9・6%)で募集しているが、引き合いが多いという。

(2025年 4月号掲載)
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